解約の手続きを終えたあと、ふと「これで本当によかったのか」と考えてしまうことがあります。
保険料が浮いて家計が楽になったはずなのに、なぜか心が落ち着かない。もしこのタイミングで何かあったらどうしようと考えてしまう。周りに相談しても「保険は必要だよ」と言われて、自分の判断が間違っていたのではないかと不安になる。
解約してしまったものは戻せないと思うと、余計に「後悔」という言葉が頭をよぎります。
でも、この不安な気持ちは、あなただけが感じているものではありません。保険を解約した人の多くが、一度は同じような気持ちを経験しているという考え方もあります。
保険を解約して後悔する人は少なくない

生命保険文化センターの調査によると、生命保険の解約・失効率は年間で約6〜7%程度とされています。つまり、毎年一定数の人が保険を手放しているということです。
そして、解約した人の中には「解約してよかった」と感じる人もいれば、「やっぱり続けておけばよかった」と感じる人もいます。どちらが正しいということではなく、その人の状況や考え方によって感じ方が変わるという考え方もあります。
解約後に後悔する理由として多いとされるのは、以下のようなものです。
- 解約後すぐに体調を崩して、保険の必要性を実感した
- 新しく保険に入ろうとしたら、年齢や健康状態で条件が悪くなった
- 解約返戻金が思ったより少なくて、損した気分になった
- 周囲から「保険は必要」と言われて不安になった
一方で、「解約してよかった」と感じる人もいます。
- 保険料の負担が減って、生活が楽になった
- 本当に必要な保障だけを見直すきっかけになった
- 解約返戻金で別の用途に使えた
どちらの感想も、その人にとっては「本当のこと」という見方もあります。
解約後に後悔しやすいタイミング
保険を解約したあとで後悔しやすいのは、特定のタイミングがあるとされています。
健康に不安を感じたとき
解約後に体調を崩したり、健康診断で引っかかったりすると、「やっぱり保険があったほうがよかったのでは」と考えてしまうことがあります。
ただ、このときに感じる不安は、「保険がない不安」というよりも、「健康への不安」そのものであることも多いです。保険があってもなくても、健康に不安があれば心配になるのは自然なことという見方もあります。
新しく保険に入ろうとしたとき
解約後にやっぱり保険が必要だと思って、再度加入を検討するタイミングです。
このときに気づくのが、年齢が上がると保険料も上がる傾向があるという点です。また、健康状態によっては加入できない場合や、条件がつく場合もあります。
以前の保険を解約したときの年齢が30代で、再加入を考えたときに40代になっていれば、保険料は当然高くなる傾向があります。これを「損した」と感じる人もいれば、「それでも今の状況に合った保障を選べる」と考える人もいます。
周囲から意見を言われたとき
家族や友人から「保険は必要だよ」「解約するなんてもったいない」と言われると、自分の判断に自信が持てなくなることがあります。
ただ、保険が必要かどうかは、その人の状況によって異なるという考え方もあります。周囲の意見が間違っているわけではありませんが、あなたの状況に当てはまるかどうかは別の話です。
解約したことを「後悔」ではなく「見直し」として考える

解約してしまったという事実は変わりませんが、その後の選択肢はまだあります。
解約したことで見えてくるもの
保険を解約したことで、初めて「保険がない状態」を経験します。この経験は、自分にとって本当に必要な保障が何なのかを考える材料になる可能性があります。
- 保険がなくても特に不安を感じないなら、今のあなたには必要ないのかもしれません
- 不安を感じるなら、どんな保障があれば安心できるのかが見えてきます
解約を「失敗」として捉えるのではなく、「自分の状況を確認するきっかけ」として捉えることも選択肢の一つです。
解約後でもできること
解約してしまったからといって、すべての選択肢がなくなるわけではありません。
- 新しく保険に入り直す(年齢や健康状態によって条件は変わります)
- 必要最低限の保障だけを選んで加入する
- しばらく様子を見て、本当に必要だと感じたら検討する
解約した保険と同じものに入る必要はありません。今の状況に合った保障を選ぶことができるという考え方もあります。
解約返戻金が少なかった場合
解約返戻金が思ったより少なくて、「損した」と感じることもあります。
特に、加入してから数年以内に解約した場合、返戻金はほとんどないか、支払った保険料よりもかなり少ない金額になることが一般的です。これは保険の仕組み上、初期の保険料の多くが保障のコストに充てられる傾向があるためです。
ただ、これは「損した」というよりも、「その期間の保障を買っていた」と考えることもできます。解約するまでの間、万が一のときには保険金が受け取れる状態だったわけです。
後悔を引きずらないために
解約したことを後悔し続けても、過去は変わりません。それよりも、今の状況をどうするかを考えるほうが建設的という見方もあります。
今の状況を整理する
まず、今のあなたの状況を整理してみることが役立つ可能性があります。
- 収入や支出の状況
- 家族構成や扶養の有無
- 貯蓄の状況
- 健康状態
これらを整理することで、保険が本当に必要なのか、必要ならどんな保障が必要なのかが見えてくる可能性があります。
情報を集める
解約したことを後悔している場合、「情報不足」が原因のこともあります。
- 今の年齢で入れる保険にはどんなものがあるのか
- 保険料はどのくらいかかるのか
- 公的な保障(健康保険や遺族年金など)でカバーできる範囲はどこまでか
こうした情報を知ることで、漠然とした不安が具体的な判断材料に変わる可能性があります。
誰かに話を聞いてみる
一人で考えていると、不安ばかりが大きくなることもあります。
保険の相談窓口や、ファイナンシャルプランナーなどに話を聞いてみることで、客観的な視点が得られることもあります。ただし、相談する際には「新しく保険に入るかどうかは自分で決める」という前提で話を聞くことが大切です。
相談窓口によっては、特定の保険商品を勧められることもあります。話を聞くことと、契約することは別です。その場で決める必要はありません。
まとめ

- 保険を解約して後悔する人は少なくない
- 後悔する理由は人それぞれで、状況によって感じ方が変わる
- 解約したことを「失敗」ではなく「見直しのきっかけ」として捉えることも選択肢の一つ
- 解約後でも、新しく入り直すなどの選択肢がある
- 今の状況を整理して、本当に必要な保障を考えることが検討の価値がある
解約したという事実は変わりませんが、その後の選択はご自身で決められます。
後悔を引きずり続ける必要はありませんし、逆に無理に「解約してよかった」と思い込む必要もありません。今の状況を見て、必要だと感じたら動けばいいし、様子を見たいと思うならそれでもいいのです。
大事なのは、自分のペースで考えて、自分で納得できる選択をすることです。