iDeCoと生命保険、両方やるのは無駄なのか

iDeCoと生命保険、両方やるのは無駄なのか

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況により最適な判断は異なります。必要に応じて公的情報や専門家へご確認ください。

「老後のためにiDeCoを始めようと思っているけど、すでに生命保険に入っている。両方続けるのは意味があるんだろうか」

そう考えながら、検索してこのページにたどり着いた方もいるかもしれません。

あるいは「どちらか一方にまとめた方が効率的なんじゃないか」「両方やるほど余裕があるわけじゃない」と感じている方もいるでしょう。

どちらかを選ばなければいけない気がして、でもどう判断すればいいのかわからない。そんな状態で立ち止まっているのは、決しておかしなことではありません。

この記事では、iDeCoと生命保険を併用することについて、それぞれの役割の違いや、両方を続ける場合の考え方を整理していきます。

iDeCoと生命保険、何が違うのか

iDeCoと生命保険、何が違うのか

まず前提として、iDeCoと生命保険は目的が異なる制度という考え方があります。

iDeCoは「自分の老後資金を準備する」ための制度です。掛金は全額所得控除の対象になり、運用益も非課税。60歳まで引き出せない代わりに、税制面で大きなメリットがあります。

一方、生命保険は「万が一のときに家族を守る」ための仕組みです。自分が亡くなったときや、働けなくなったときに、遺された家族の生活費や教育費をカバーする役割を持っているという考え方があります。

つまり、

  • iDeCo:自分が生きている前提で、老後の自分を支える
  • 生命保険:自分がいなくなった前提で、家族を支える

という違いがあるとされています。

それぞれの主な目的
  • iDeCo:老後資金の準備、税制優遇の活用
  • 生命保険:遺族保障、病気やケガへの備え

この違いを理解すると、「どちらか一方」ではなく「両方が必要かどうか」という視点で考えられるようになります

併用している人は実際にどれくらいいるのか

「両方やるのは珍しいことなんだろうか」と気になる方もいるかもしれません。

実際には、iDeCoと生命保険を併用している人は少なくないとされています

厚生労働省の調査によると、iDeCo加入者の多くは30代〜40代の会社員です。この年代は、子どもの教育費や住宅ローンを抱えながら、同時に老後資金の準備も考え始める時期にあたります。

生命保険についても、同じ年代で加入率が高い傾向があります。家族がいる場合、万が一のときの保障として生命保険に入っている人は多いでしょう。

つまり、「老後の準備」と「家族の保障」を両立させようとする人は、ごく自然に両方を併用する形になっているわけです。

併用するかどうかは「今の状況」で変わる

併用するかどうかは「今の状況」で変わる

では、すべての人が両方を続けるべきなのかというと、そうとは限りません。

併用するかどうかは、今の家族構成や収入の状況によって変わる可能性があります

家族構成による違い

たとえば、独身の方や子どもが独立した方の場合、大きな死亡保障は必要ないかもしれません。その場合、生命保険は最低限の医療保障だけにして、iDeCoの掛金を増やすという選択肢も考えられます。

一方、小さな子どもがいる家庭では、万が一のときの保障が重要という考え方があります。この場合、生命保険はそのまま続けながら、余裕のある範囲でiDeCoを始めるという形が考えられます。

収入の余裕による違い

毎月の収入から、生活費・住宅ローン・教育費などを差し引いた後に残る金額は、人によって異なります。

iDeCoの掛金は月5,000円から始められますが、それでも「今は厳しい」と感じる状況なら、無理に併用する必要はありません。

生命保険の保障内容を見直して保険料を下げ、その分をiDeCoに回すという方法も選択肢の一つです。あるいは、今は生命保険だけを続けて、数年後に収入が安定してからiDeCoを始めるという順番も考えられます。

注意したいこと

iDeCoは60歳まで引き出せません。毎月の掛金が家計を圧迫するようなら、金額を調整するか、始める時期を見直すことも選択肢の一つです。

併用する場合の考え方

もし両方を続けるなら、それぞれの役割を分けて考えると整理しやすくなります。

生命保険:必要な保障を確認する

まず、今入っている生命保険が「本当に必要な保障」をカバーしているかを確認することが検討の価値があります。

  • 死亡保障:家族が何年間、どれくらいの生活費を必要とするか
  • 医療保障:公的医療保険でカバーされない部分をどこまで備えるか
  • 貯蓄型か掛け捨てか:保険料と保障内容のバランスは適切か

保険の内容を見直した結果、「今の保障は過剰だった」と気づくこともあります。その場合、保険料を下げることで、iDeCoに回せる余裕が生まれるかもしれません。

iDeCo:無理のない金額で続ける

iDeCoは、長く続けることで税制優遇のメリットが積み重なるという考え方があります

たとえば、月1万円の掛金で年間12万円。所得税率が20%なら、年間2万4,000円の節税効果が期待できます。これが20年続けば、節税額だけで48万円になる可能性があります。

ただし、無理な金額で始めて途中で続けられなくなるよりも、少額でも長く続けられる金額を選ぶ方が現実的です。

掛金の目安

iDeCoの掛金は月5,000円から1,000円単位で設定できます。年に1回まで金額を変更できるので、最初は少額で始めて、余裕が出てから増やすことも可能です。

「どちらか一方」ではなく「両方の役割」を見る

「どちらか一方」ではなく「両方の役割」を見る

iDeCoと生命保険の併用について考えるとき、「どちらが得か」「どちらかに絞るべきか」という視点で悩む方もいます。

ただ、この2つは比較するものではなく、それぞれ異なる役割を持っているという考え方があります

生命保険は「今、何かあったとき」のための備え。iDeCoは「将来、自分が老後を迎えたとき」のための準備。

どちらも必要かどうかは、今の家族構成や収入、将来の見通しによって変わります。

「両方やらなければいけない」わけでもなく、「どちらか一方でなければいけない」わけでもありません。

まとめ

iDeCoと生命保険の併用について、ここまで整理してきました。

この記事のまとめ
  • iDeCoと生命保険は目的が異なるという考え方がある(老後資金の準備 vs 家族の保障)
  • 併用している人は少なくないとされているが、全員に必要なわけではない
  • 家族構成や収入の状況によって、必要な保障と掛金は変わる可能性がある
  • 生命保険の内容を見直すことで、iDeCoに回せる余裕が生まれることもある
  • iDeCoは少額からでも始められ、金額は後から変更できる

「両方続けるべきか、どちらかに絞るべきか」という答えは、人によって異なります。

今の状況を整理して、ご自身のペースで考えていくことが大切です。急いて結論を出す必要はありません。