本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に応じた判断を保証するものではありません。解約の判断や手続きについては、ご自身の契約内容や状況に合わせてご検討ください。
引っ越しが決まって、今の部屋の火災保険をどうすればいいか考えているけれど、解約していいものなのか、解約したらどうなるのか、はっきりしない。
不動産会社に言われるがままに入った保険だから、解約の手続きも何も分からない。そもそも解約していいタイミングなのかも分からない。
「解約」という言葉そのものに、何か取り返しのつかないことをしてしまう感じがして、調べようとは思いつつ、そのままになっている。
こういう状態、あなただけではありません。
賃貸の火災保険は解約できる

賃貸契約時に加入した火災保険は、いつでも解約できます。
契約期間の途中であっても、解約そのものは可能です。違約金のようなものも発生しません。
ただし、解約するタイミングや状況によって、返金される金額が変わったり、そもそも返金がなかったりします。
「解約できるかどうか」と「解約したほうがいいかどうか」は別の話です。
多くの人が迷うのは、解約という行為そのものではなく、「今解約したら損をするのではないか」「何か問題が起きるのではないか」という部分です。
解約すると何が起きるのか
火災保険を解約すると、その時点から補償がなくなります。
これは当たり前のように聞こえますが、実際には「解約後も少しは補償が続くのでは」と思っている人も少なくありません。
解約した翌日に火事や水漏れが起きても、補償は一切ありません。
解約後に返金されるお金
賃貸の火災保険は、多くの場合2年分をまとめて払っています。
契約期間の途中で解約した場合、残りの期間分が返金されることがあります。これを「解約返戻金」と言います。
ただし、返金されるのは「未経過期間分」だけです。
たとえば2年契約で20,000円払っていて、1年で解約した場合、残り1年分の10,000円が返ってくる、というわけではありません。
保険会社によって計算方法が異なり、実際に返ってくる金額は8,000円程度になることもあります。
返金がない場合もある
以下のような状況では、返金がないこともあります。
- 契約してからすぐに解約した場合(短期率が適用される)
- 残り期間がごくわずかな場合
- 保険会社の規定によっては、返金手数料が差し引かれる場合
「損をするかもしれない」と感じるのは、この部分です。
ただ、返金額が少ないからといって、解約しないほうがいいとは限りません。
解約したほうがいい場合、しないほうがいい場合

引っ越しをする場合
引っ越しをするなら、今の部屋の火災保険は解約することになります。
新しい部屋では新しい火災保険に入る必要があるため、今の保険を続ける意味がありません。
このとき、新しい部屋の火災保険に入るタイミングと、今の保険を解約するタイミングを合わせる必要があります。
引っ越し当日に、旧居の保険を解約し、新居の保険を開始する、という形です。
ただし、実際には引っ越し日と契約日がずれることもあります。
その場合、どちらを優先するかは自分で決めることになります。
保険を見直したい場合
今の火災保険の内容が自分に合っていないと感じて、別の保険に入り直したい場合も、解約することになります。
このとき注意したいのは、新しい保険が始まってから、今の保険を解約するということです。
先に解約してしまうと、新しい保険が始まるまでの間、無保険の状態になります。
この「空白期間」に何か起きても、補償はありません。
賃貸契約が終わったとき
退去が決まったら、火災保険も解約します。
ただし、退去日と保険の解約日を合わせる必要があります。
退去日より前に解約してしまうと、まだ住んでいるのに無保険という状態になります。
逆に、退去後も保険を続けていると、誰も住んでいない部屋の保険料を払い続けることになります。
解約日は「退去日」または「新しい保険の開始日」に合わせるのが基本です。不動産会社や保険会社に確認しながら進めると、空白期間や重複期間を避けられます。
解約の手続きは誰がするのか
火災保険の解約手続きは、契約者本人が行います。
不動産会社が代わりにやってくれるわけではありません。
多くの場合、以下のような流れになります。
保険証券に書かれている連絡先に電話をします。
解約したい旨を保険会社に伝えます。
保険会社から指示された書類を提出します。
解約の有効日を決定します。
返金がある場合は指定口座に振り込まれます。
「不動産会社に入らされた保険だから、不動産会社に言えば解約できる」と思っている人もいますが、実際には自分で保険会社に連絡する必要があります。
保険証券に書かれている連絡先に電話をすれば、手続きを案内してもらえます。
解約に必要なもの
解約手続きには、以下のようなものが必要になることが多いです。
- 保険証券(契約時にもらった書類)
- 本人確認書類
- 解約理由
- 返戻金の振込先口座
保険証券を失くしてしまった場合でも、契約者番号や氏名、生年月日などで本人確認ができれば、手続きは可能です。
解約しないまま放置するとどうなるか

引っ越しをしたのに、前の部屋の火災保険を解約しないまま放置している人もいます。
この場合、保険料は払い続けることになります。
2年分をすでに払っている場合は、その期間が終わるまで自動的に解約されることはありません。
ただし、契約が自動更新される設定になっていると、次の2年分が引き落とされることもあります。
「解約しなくても、引っ越したら自動的に止まる」ということはありません。
誰も住んでいない部屋の火災保険は、補償の対象外になることもあります。つまり、保険料だけ払って、補償は受けられない、という状態になる可能性があります。
解約したあとに気をつけること
新しい保険に入るまでの空白期間
解約してから新しい保険に入るまでの間、無保険の状態になることがあります。
この期間に火事や水漏れが起きても、補償はありません。
「数日だけだから大丈夫」と思うかもしれませんが、数日でも何かが起きる可能性はあります。
新しい保険に入ってから、今の保険を解約する、という順番にすれば、空白期間は避けられます。
返戻金の受け取り
解約返戻金がある場合、解約手続きから1〜2ヶ月後に振り込まれることが多いです。
すぐに振り込まれるわけではありません。
また、返戻金の金額は、解約手続きをするまで正確には分かりません。
「これくらい返ってくるはず」と思っていても、実際には少ないこともあります。
解約証明書が必要な場合
新しい保険に入るとき、前の保険を解約したことを証明する書類が必要になることがあります。
解約手続きの際に「解約証明書が必要か」を確認しておくと、後で困りません。
解約するかどうかを決めるのは自分

火災保険の解約は、誰かに相談しないと決められないことではありません。
ただ、「解約していいのか」「今解約したら損なのか」という疑問がある状態で、一人で決めるのは不安かもしれません。
解約そのものは手続きの話ですが、「解約したほうがいいのか」は状況によって変わります。
引っ越しをするなら解約するしかありませんが、「今の保険でいいのか」「もっと合う保険があるのか」という疑問がある場合は、解約する前に整理したほうが、後で迷わずに済みます。
- 賃貸の火災保険はいつでも解約できる
- 解約すると補償はその時点でなくなる
- 返戻金がある場合もあるが、全額返るとは限らない
- 引っ越しや退去のときは解約が必要
- 解約手続きは契約者本人が行う
- 新しい保険に入ってから解約すると、空白期間を避けられる
解約すること自体は難しくありません。
ただ、「今解約していいのか」「このタイミングでいいのか」という部分は、自分の状況によって変わります。
解約するかどうかを決めるのは、あなた自身です。
誰かに「解約したほうがいい」と言われて決めるものでもなければ、「解約しないほうがいい」と言われてそのままにするものでもありません。
ご自身のペースで、必要なタイミングで、判断していただければと思います。
最終的な判断は、ご自身の契約内容や状況に合わせて行ってください。不明点がある場合は、保険会社や専門家にご確認いただくことを考え方の一例します。