地震保険の相場はいくら?一戸建ての保険料を調べる前に知っておきたいこと

地震保険の相場はいくら?一戸建ての保険料を調べる前に知っておきたいこと

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況により最適な判断は異なります。必要に応じて公的情報や専門家へご確認ください。

「地震保険、入ったほうがいいのかな」と思いながら、実際の保険料がどれくらいかかるのか調べようとしているところかもしれません。でも調べれば調べるほど、地域によって違う、建物の構造によって違う、補償額によっても違う……と、結局自分の家はいくらなのか分からなくなってくる。

地震保険の保険料は、火災保険のように「だいたいこれくらい」と言いにくい仕組みになっています。

それでも、おおよその目安や、保険料が決まる仕組みを知っておくと、自分の家の場合はどうなのか、少しずつ輪郭が見えてきます。

地震保険の保険料が「相場」では語りにくい理由

地震保険の保険料が「相場」では語りにくい理由

地震保険の保険料を調べていて混乱するとしたら、それは仕組みそのものが複雑だからです。

地震保険の保険料は、所在地(都道府県)建物の構造、そして補償額の3つで決まります。年齢や家族構成、過去の地震被害の有無などは関係ありません。

つまり、同じ一戸建てでも、東京都と北海道では保険料が大きく違いますし、木造住宅と鉄骨造住宅でも金額が変わります。「一戸建ての相場」といっても、前提条件によって年間1万円台から10万円以上まで幅があります。

地震保険料を決める3要素
  • 所在地(都道府県)
  • 建物の構造(木造か非木造か)
  • 補償額(火災保険金額の30~50%の範囲)

「じゃあ結局いくらなの?」と思うかもしれませんが、この仕組みを知っておくだけでも、自分の家の保険料を調べるときの見通しは少し良くなります。

地域別・構造別の保険料目安

具体的な数字を見たほうが分かりやすいので、いくつかの条件でシミュレーションしてみます。ここでは、補償額1,000万円(建物のみ)で計算した場合の年間保険料を示します。

木造住宅(イ構造)の場合

地域 年間保険料の目安
北海道・青森・岩手など 約8,500円
東京都・神奈川県・千葉県など 約36,300円
愛知県・三重県など 約25,000円
大阪府・京都府など 約22,500円
福岡県・佐賀県など 約10,700円

非木造住宅(ロ構造)の場合

地域 年間保険料の目安
北海道・青森・岩手など 約5,000円
東京都・神奈川県・千葉県など 約26,400円
愛知県・三重県など 約17,850円
大阪府・京都府など 約15,650円
福岡県・佐賀県など 約6,800円

※2024年現在の保険料率に基づく概算です。実際の保険料は保険会社や割引の適用によって変動します。

この表を見て「思ったより高い」と感じるか、「意外と安い」と感じるかは、人によって違います。どちらの感覚もあり得ます。

首都圏や東海地方など、地震リスクが高いとされる地域では保険料も高くなる傾向があります。逆に、地震リスクが比較的低いとされる地域では保険料も抑えられています。これは地震保険が「リスクに応じた保険料設定」をしているためです。

「高い」と感じたときに考えられること

「高い」と感じたときに考えられること

地震保険の保険料を見て「高い」と感じたとしても、それは自然な反応です。年間数万円という金額は、決して小さくありません。

ただ、ここで考えられるのは、「何と比べて高いと感じているか」ということです。

たとえば、火災保険と比べると高く感じるかもしれません。火災保険は年間1万円前後で入れることも多いからです。でも、火災と地震では被害の規模も範囲も違います。

あるいは、「地震が来ないかもしれないのに毎年払うのか」と考えると高く感じるかもしれません。これも自然な感覚です。保険というのは、使わなければ「損した気分」になることもあります。

一方で、もし地震で家が全壊したとき、建て替えや修繕にかかる費用は数百万円から数千万円になります。その費用を自己資金で賄えるかどうか、という視点で見ると、また違った見え方になることもあります。

注意

地震保険だけでは全額カバーできません。地震保険の補償額は、火災保険金額の30~50%の範囲内です。つまり、火災保険で2,000万円の補償があっても、地震保険では最大1,000万円までしか補償されません。全壊しても、建て替え費用の全額が出るわけではないことは知っておく情報の一つです。

「高い」と感じることは、否定される感覚ではありません。その感覚を持ったまま、自分にとってどうかを考えていくことができます。

保険料を抑える方法

地震保険には、いくつかの割引制度があります。すべての住宅に適用できるわけではありませんが、条件に当てはまれば保険料を抑えることができる可能性があります。

  • 建築年割引:1981年6月以降に建てられた住宅は10%割引
  • 耐震等級割引:耐震等級に応じて10~50%割引
  • 免震建築物割引:免震建築物は50%割引
  • 耐震診断割引:耐震診断または耐震改修を実施した住宅は10%割引

これらの割引は重複して適用されません。最も割引率の高いものが適用されます。

たとえば、1981年以降に建てられた木造住宅で、東京都在住、補償額1,000万円の場合、割引なしだと年間約36,300円ですが、建築年割引が適用されると約32,670円になります。

また、保険料の支払い方法を年払いではなく長期契約(最長5年)にすることで、実質的な保険料負担を抑える方法もあります。長期契約では、長期係数という割引が適用されるためです。

ただし、長期契約にすると一度に支払う金額が大きくなります。無理に長期契約にする必要はなく、自分の家計の状況に合わせて選ぶことができます。

相場を知った後に考えられること

相場を知った後に考えられること

ここまで読んで、おおよその保険料の目安は掴めたかもしれません。でも、「じゃあ入るかどうか」という問いには、まだ答えが出ていないかもしれません。

それは自然なことです。保険料の相場を知ることと、自分にとってどうかを判断することは、別のことだからです。

地震保険に入るかどうかは、自分の状況に合わせて考えることができます。

  • 自分が住んでいる地域の地震リスクをどう捉えているか
  • もし地震で家が壊れたとき、自己資金でどこまで対応できるか
  • 住宅ローンが残っている場合、返済と修繕費用を同時に負担できるか
  • 保険料を払い続けることが、家計にとって無理のない範囲か

これらは、誰かに「正解」を教えてもらえる問いではありません。自分の状況と照らし合わせて、自分で判断していくものです。

今すぐ決める必要はありません。火災保険の更新時期が来たときに改めて考えてもいいですし、一度入ってから「やっぱり解約しよう」と思ったら、それも可能です。

この記事のまとめ
  • 地震保険の保険料は、所在地・建物構造・補償額で決まる
  • 木造住宅の場合、地域によって年間8,500円~36,300円程度(補償額1,000万円の場合)
  • 非木造住宅は木造よりも保険料が安くなる傾向がある
  • 建築年や耐震等級による割引制度がある
  • 保険料を知ることと、判断することは別のステップ

地震保険の相場を調べたということは、何かしらの疑問があったからだと思います。その疑問は、すぐに解消しなくてもいいものです。

情報を集めて、自分の状況を整理して、必要なら誰かに話を聞いてみて、そのうえで自分のペースで考えていくことができます。それだけのことです。

最終判断はご自身の状況に合わせて行い、不安がある場合は公的機関や有資格者へご相談ください。