「バイク保険にも等級ってあるんだ」と知って、次に浮かぶのは「じゃあ車の等級はどうなるの?」という疑問かもしれません。もしかしたら、車とバイク両方持っているけど、等級の仕組みがよくわからなくて放置している、という状態かもしれません。
「今さら聞けない」と感じる必要はありません。保険の等級制度は、実際のところ複雑で、車とバイクで微妙に違うルールもあり、専門家でも説明に時間がかかる内容です。
この記事では、バイク保険の等級について、車との違いや、実際にどう影響するのかを整理していきます。読んだ後で「やっぱり今のままでいい」と思うこともあるかもしれませんし、「一度確認してみようか」と思うこともあるかもしれません。どちらでも構いません。
バイク保険にも等級制度がある

バイク保険にも、自動車保険と同じように等級制度があります。正式には「ノンフリート等級別料率制度」といい、1等級から20等級まで設定されています。
新規でバイク保険に加入する場合、通常は6等級からスタートします。1年間無事故で過ごすと翌年は7等級に上がり、保険料が割引される仕組みになっています。逆に事故で保険を使うと等級が下がり、保険料が上がります。
- 新規加入時:6等級スタート(一部条件で7等級も可能)
- 1年無事故:1等級アップ
- 事故で保険使用:3等級ダウン(事故内容により1等級ダウンの場合も)
等級が上がるほど割引率が高くなり、最高の20等級では保険料が約63%割引されることもあります。逆に、等級が下がると割増になり、保険料の負担が大きくなります。
この仕組み自体は自動車保険とほぼ同じです。ただ、細かい部分で違いがあり、そこが混乱の元になることがあります。
車とバイクの等級は別々にカウントされる
「車で20等級なんだけど、バイクもその等級で入れる?」という疑問を持つ人は少なくありません。結論としては、車とバイクの等級は別々に管理されています。
たとえば、車で15等級の人がバイクを新しく買った場合、バイク保険は6等級からのスタートになります。車の等級がバイクに引き継がれることはありません。
車とバイクの等級は独立しています。どちらかで事故を起こしても、もう一方の等級には影響しません。
逆に言えば、バイクで事故を起こして等級が下がっても、車の等級には影響しません。これは別々に管理されているからです。
ただし例外があります。それが次に説明する「セカンドカー割引」です。
セカンドカー割引を使えば7等級からスタートできる

バイクを新規で契約する際、一定の条件を満たすと7等級からスタートできる「セカンドカー割引」という制度があります。
- すでに自動車保険に加入している(11等級以上)
- 1台目と2台目の記名被保険者が本人または配偶者、同居の親族
- 2台目も自家用バイクである
この条件を満たせば、通常6等級スタートのところ、7等級からスタートできます。7等級の割引率は約40%、6等級は約19%なので、初年度から保険料に差が出ます。
ただし、セカンドカー割引が適用されるかどうかは保険会社によって条件が異なる場合があります。また、バイクの排気量によっても適用条件が変わることがあります。
「車の等級が高いから、バイクも同じように安くなる」というわけではありませんが、この制度を使える場合は、初年度から割引率が高い状態でスタートできます。使わなくても問題はありませんが、条件に当てはまるかどうかを確認しておくと、選択肢が見えやすくなります。
バイクを乗り換えても等級は引き継げる
バイクを買い替えた場合、それまで積み上げてきた等級はどうなるのか。これも気になるポイントです。
結論としては、バイクを乗り換えても等級は引き継げます。これを「車両入替」といいます。
たとえば、10等級のバイクから新しいバイクに乗り換える場合、新しいバイクでも10等級のまま継続できます。保険会社に「車両入替」の手続きをすれば、等級がリセットされることはありません。
- 新しいバイクの所有者が本人または配偶者、同居の親族であること
- 納車日から30日以内に手続きをすること
ただし、排気量が大きく変わる場合(原付から大型バイクなど)は、保険料の計算方法が変わるため、等級が同じでも保険料が変動することがあります。
また、バイクを手放して一定期間保険に加入しない場合でも、13ヶ月以内であれば「中断証明書」を取得しておくことで、等級を保存できます。これは車の保険と同じ考え方です。
等級ダウンのルールと回復の仕組み

事故を起こして保険を使うと等級が下がりますが、その下がり方にはルールがあります。
3等級ダウン事故:相手への賠償や自分の車両保険を使った場合
1等級ダウン事故:車両保険で盗難・火災・台風などの被害を補償した場合
ノーカウント事故:人身傷害保険や弁護士費用特約のみを使った場合
たとえば、15等級で3等級ダウン事故を起こすと、翌年は12等級になります。さらに、事故を起こした後の等級には「事故あり係数」が適用され、同じ等級でも「無事故」の場合より割引率が低くなります。
3等級ダウン事故の場合、3年間「事故あり」扱いになります。この期間は同じ等級でも割引率が低く、保険料が高くなります。
事故あり係数が適用されている間は、無事故で等級を上げても、通常より保険料が高い状態が続きます。たとえば、15等級(事故あり)と15等級(無事故)では、割引率が約20%も異なることがあります。
等級が下がったからといって、すぐに元に戻るわけではありません。等級を上げるには無事故の年数を重ねるしかなく、時間がかかります。
自分の等級、実は確認していない人も多い
「自分が今何等級か知っていますか?」と聞かれて、即答できる人は意外と少ないかもしれません。
等級は保険証券や更新のお知らせに記載されていますが、普段意識することはあまりありません。保険料の引き落としが続いていれば、特に確認しない、という状態も珍しくありません。
ただ、等級を知っておくと、以下のような場面で参考になることがあります。
- 今の保険料が妥当かどうか
- 事故を起こした場合、保険料がどれくらい上がるか
- 他社に乗り換えた場合、どのくらいの保険料になるか
等級は保険会社を変えても引き継げるため、「今の保険料が高い」と感じた場合、他社で見積もりを取ってみると、同じ等級でも保険料が安くなることがあります。
- 保険証券の「等級」欄を確認
- 保険会社のマイページで確認
- 更新のお知らせ(満期案内)に記載されている
等級を確認すること自体は、何かを決断することではありません。ただ、自分の状況を知っておくと、選択肢が見えやすくなります。確認しなくても問題はありませんし、確認したからといって何かをしなければいけないわけでもありません。
まとめ

- バイク保険にも1〜20等級の制度があり、無事故で等級が上がる
- 車とバイクの等級は別々で、互いに影響しない
- セカンドカー割引を使えば7等級からスタートできる場合がある
- バイクを乗り換えても等級は引き継げる
- 事故で等級が下がると、回復には時間がかかる
等級の仕組みは複雑で、すべてを理解する必要はありません。ただ、「車とバイクは別」「乗り換えても引き継げる」「事故で下がると戻すのに時間がかかる」という3つのポイントを押さえておくと、保険料の見方が少し変わるかもしれません。
今すぐ何かをする必要はありません。ご自身のペースで、必要だと感じたときに確認いただければ十分です。確認しないという選択も、もちろんあります。