「ライフプラン、立てた方がいいんだろうな」
そう思いながら、何から始めればいいのか分からない。そもそも自分の人生がどうなるかなんて分からないのに、計画を立てる意味があるのか。立てたところで、その通りにいくとも思えない。
立派なライフプランを作らなきゃいけない気がする。でも、自分の収入も将来も不確定で、何を書けばいいのか分からない。家計簿も続かないのに、人生全体の計画なんて無理な気がする。
そんな風に考えて、結局何もしないまま時間が過ぎている。
そういう状態、実は珍しくありません。「ライフプランを立てるべき」という言葉は聞くけれど、実際に立てている人の方が少ないのが現実です。立てていない自分を責める必要はありません。
この記事では、「完璧なライフプラン」ではなく、「自分が今どこにいるのかを確認する」ための、もっと小さな始め方についてお伝えします。
ライフプランって、何のために立てるもの?

ライフプランと聞くと、将来の収支を細かく計算して、何歳で家を買って、子どもの教育費がいくらで…という完璧な計画書をイメージするかもしれません。
でも実際には、そこまで細かく立てている人は多くありません。
生命保険文化センターの調査によれば、約60%の人が「将来の生活設計について考えたことがある」と答えていますが、そのうち「具体的に計画を立てている」人は約25%程度です。
つまり、多くの人は「考えてはいるけど、形にはしていない」状態です。
ライフプランを立てる目的は、「完璧な予測をすること」ではありません。
もっと単純に言えば、「今の自分がどこにいて、何を大事にしたいのか」を確認するためのものです。
立てないとどうなるのか
ライフプランを立てないことが、すぐに問題になるわけではありません。
ただ、何も考えずにいると起こりがちなのは、「気づいたら選択肢が減っていた」という状態です。
例えば:
– 転職したいと思ったときに、貯蓄がなくて動けない
– 子どもの進学時期に、教育費の準備ができていない
– 老後資金を考え始めたときに、時間が足りない
これらは「計画がなかったから起きた失敗」というよりも、「自分の状況を把握していなかったから、準備できなかった」というケースです。
「立派なライフプラン」を作らなくていい理由
ライフプランを立てられない理由の一つは、「ちゃんとしたものを作らなきゃ」というプレッシャーです。
でも、実際には「ちゃんとしたもの」である必要はありません。
人生は予定通りにいかない
そもそも、10年後、20年後の自分の状況を正確に予測できる人はいません。
- 収入が変わるかもしれない
- 家族構成が変わるかもしれない
- 価値観が変わるかもしれない
- 社会の状況が変わるかもしれない
予測できないことを前提に、「今の時点で考えられること」を整理するのがライフプランです。
完璧な計画を立てることではなく、「今の自分が何を大事にしたいか」を言葉にすることの方が大切です。
「ざっくり」で十分な理由
ファイナンシャルプランナーの中には、「まずは大まかに把握することから始めましょう」と伝える人が多くいます。
なぜなら、細かく立てすぎた計画は、現実とズレたときに修正するのが大変だからです。
むしろ、「だいたいこのくらい」という感覚を持っておく方が、状況が変わったときに柔軟に対応できます。
- 今の貯蓄:約○○万円
- 毎月の貯蓄額:約○万円
- 大きな支出予定:5年後に車の買い替え、10年後に子どもの大学進学
- 老後までの期間:あと○○年
これくらいの情報でも、「今の自分の位置」は見えてきます。
実際にやること:最小限の3ステップ

ライフプランを立てると言っても、最初から完璧なものを作る必要はありません。
まずは、以下の3つのことを確認するだけで十分です。
まず、今の自分の状況を「数字」で把握します。
- 毎月の収入はいくらか
- 毎月の支出はだいたいいくらか
- 今の貯蓄額はいくらか
- 借金や住宅ローンの残高はいくらか
細かい家計簿をつける必要はありません。「だいたい○万円くらい」で構いません。
多くの人は、この「だいたい」すら把握していないことが多いです。
次に、今後10年くらいの間に「起こりそうなこと」を書き出します。
例えば:
– 子どもの進学(○年後)
– 車の買い替え(○年後)
– 住宅ローンの完済(○年後)
– 親の介護が必要になるかもしれない時期
– 自分の定年退職(○年後)
これも「確定している予定」だけでなく、「もしかしたら」というレベルで構いません。
ステップ1とステップ2を並べて見たときに、「このままだと足りないかもしれない」という部分が見えてきます。
例えば:
– 5年後に200万円必要だけど、今のペースだと150万円しか貯まらない
– 老後資金を考えると、今の貯蓄ペースでは不安がある
この「ズレ」が見えることが、ライフプランを立てる最大の意味です。
ズレが見えれば、「じゃあどうするか」を考えることができます。
ここで焦る必要はありません。「ズレがある」ことが分かっただけでも、大きな一歩です。すぐに解決策を決める必要はありません。
ライフプランを立てるときに使えるもの
ライフプランを立てるために、特別なツールは必要ありません。
紙とペンでも、スマホのメモでも、エクセルでも、何でも構いません。
無料で使えるツール
インターネット上には、無料で使えるライフプランシミュレーションツールがいくつかあります。
例えば:
– 金融庁の「ライフプランシミュレーション」
– 全国銀行協会の「ライフプランシミュレーター」
– 各保険会社が提供しているシミュレーター
これらは、収入や支出、将来のイベントを入力すると、グラフで資産の推移を見ることができます。
ただし、これらのツールも「完璧な予測」をするものではありません。あくまで「目安」として使うものです。
誰かに相談する選択肢
自分一人で考えるのが難しい場合、誰かに話を聞いてもらうという方法もあります。
ファイナンシャルプランナーや保険の相談窓口では、ライフプランの整理を手伝ってもらえることがあります。
ただし、相談したからといって、すぐに何かを決める必要はありません。「自分の状況を整理する」ために話を聞いてもらうだけでも構いません。
立てた後に大事なこと:見直してもいい

ライフプランは、一度立てたら終わりではありません。
むしろ、「見直してもいい」「変えてもいい」ことの方が大切です。
状況は変わる
人生には、予定していなかったことが起こります。
- 転職や収入の変化
- 家族構成の変化
- 病気や事故
- 価値観の変化
そのたびに、ライフプランを見直すことは当たり前のことです。
「計画通りにいかなかった」ことを失敗と考える必要はありません。
見直しのタイミング
ライフプランを見直す目安は、1年に1回程度です。
または、以下のような大きな変化があったときに見直すと良いでしょう。
- 転職や収入の変化があったとき
- 結婚・出産・離婚など家族構成が変わったとき
- 住宅購入や大きな支出があったとき
- 保険の見直しを考えたとき
見直すときも、また「ざっくり」で構いません。
まとめ:完璧じゃなくていい、まず「今」を見ることから
ライフプランは、「完璧な計画書」を作ることではありません。
今の自分がどこにいて、これから何が起こりそうで、そのために何を準備しておけばいいのか。それを「ざっくり」把握するためのものです。
- ライフプランを立てている人は約25%程度。立てていないことは珍しくない
- 完璧な計画を作る必要はなく、「今の状況」を把握することが最初の一歩
- 最小限の3ステップ:今の数字を見る、今後の予定を書き出す、ズレを確認する
- 一度立てたら終わりではなく、見直してもいい、変えてもいい
立てないまま時間が過ぎることも、立ててみて途中で変えることも、どちらも間違いではありません。
大事なのは、「自分がどうしたいか」を、自分のペースで考えることです。
今すぐ完璧な計画を立てる必要はありません。まずは「今の自分の状況」を、紙に書き出してみるだけでも十分です。そこから、自分に必要なことが少しずつ見えてきます。