マンション火災保険料の相場を調べようと思ったとき、何から見ればいいのか分からなくなっていませんか

「マンションの火災保険、みんなどれくらい払っているんだろう」
そう思って検索してみたものの、出てくる情報は幅が広すぎて、結局自分の場合はどうなのかが分からない。年間5,000円という数字もあれば、30,000円という数字もある。
保険会社のサイトを見ても、シミュレーションには細かい条件入力が必要で、そもそも自分のマンションがどの条件に当てはまるのかも曖昧なまま。
「相場を知りたいだけなのに、なんでこんなに複雑なんだろう」
そう感じているとしたら、それはあなたが情報を理解できていないからではありません。マンションの火災保険料は、戸建てと違って「これが相場」と一言で言える構造になっていないことがあります。
同じ築年数、同じ広さのマンションでも、階数や構造、加入する補償内容によって保険料が変わることがあります。だから「相場」を調べようとすると、条件の違いに振り回されて、結局よく分からないまま終わってしまうことがあります。
こうした状況で立ち止まってしまうのは、ごく自然なことです。
マンション火災保険料の「相場」が分かりにくい理由
マンションの火災保険料に明確な相場がないのは、保険料を決める要素が複数あることが理由の一つです。
建物の構造と階数で保険料が変わることがある
マンションは基本的に鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)で建てられています。これらは火災に強い構造として評価されることがあるため、木造の戸建てに比べて火災保険料が安くなることがあります。
ただし、同じマンション内でも階数によって保険料が変わることがあります。高層階になるほど水災リスクが低くなるため、水災補償を外すことで保険料を抑えられる場合があります。
マンション(M構造・耐火構造)は、木造住宅(H構造)に比べて火災保険料が30〜50%程度安くなることがあると言われています。
専有部分の広さと補償額
マンションの火災保険では、自分が所有する専有部分に対して保険をかけます。この専有部分の広さ(㎡数)と、設定する補償額によって保険料が決まることがあります。
例えば、50㎡のマンションと80㎡のマンションでは、同じ補償内容でも保険料は異なります。また、家財の補償額を500万円に設定するか1,000万円に設定するかでも、保険料は変わってきます。
補償内容の組み合わせ
火災保険では、火災だけでなく、水災、風災、盗難、破損など、さまざまなリスクに対する補償を選ぶことができます。
マンションの場合、高層階であれば水災補償を外す、セキュリティが充実していれば盗難補償を最小限にするなど、自分の状況に合わせて補償を調整できます。補償を手厚くすればするほど保険料が高くなることがあります。
実際のマンション火災保険料の目安

「相場」という言葉で一律に示すことは難しいのですが、一定の条件下での保険料の目安を参考にすることはできます。
一般的な条件での年間保険料
以下は、よくある条件でのマンション火災保険料の目安です。
【条件例】
– 専有面積:70㎡
– 建物補償額:1,500万円
– 家財補償額:500万円
– 構造:M構造(マンション)
– 補償内容:火災、風災、水災、盗難、破損を含む
– 地震保険:なし
この条件での年間保険料は、おおよそ10,000円〜20,000円の範囲に収まることがあると言われています。
ただし、これはあくまで目安です。保険会社によって保険料の計算方法は異なりますし、築年数や所在地(都道府県)によっても変動します。
補償内容を絞った場合
水災補償を外したり、破損・汚損補償を付けなかったりすることで、保険料を抑えることを検討する人もいます。
例えば、10階以上の高層階に住んでいて水災リスクがほぼない場合、水災補償を外すことで年間保険料が2,000〜3,000円程度安くなることがあります。
補償を外すことで保険料は安くなりますが、万が一そのリスクが現実になったときには自己負担となります。「自分には必要ない」と判断できる根拠があるかどうかを、一度整理してみることもできます。
地震保険を付けた場合
地震保険は火災保険とセットで加入する保険です。地震保険の保険料は、建物の所在地と構造によって決まります。
マンション(M構造)の場合、地震保険料は都道府県によって大きく異なります。例えば、東京都で家財500万円分の地震保険を付けた場合、年間7,500円程度。一方、地震リスクが比較的低い地域では年間3,000円程度になることもあります。
保険料を比較する際の視点
「相場」を知ることよりも、自分にとって適切な保険料かどうかを判断するには、いくつかの視点があります。
補償内容が同じ条件で比較する
保険料だけを見て「安い」「高い」と判断するのではなく、補償内容が同じ条件で比較することが一つの視点です。
同じ年間15,000円でも、ある保険では水災補償が含まれているのに、別の保険では含まれていない、ということがあります。保険料の数字だけで判断すると、いざというときに「補償されない」という事態になることがあります。
免責金額(自己負担額)の設定
火災保険には「免責金額」という、自己負担する金額を設定できる仕組みがあります。
例えば、免責金額を3万円に設定すると、損害額が10万円だった場合、保険金として受け取れるのは7万円になります。その代わり、保険料は安くなります。
免責金額を高く設定すれば保険料は下がりますが、小さな損害は自分で負担することになります。この設定によっても保険料は変わるため、単純な比較は難しくなります。
保険期間の選び方
火災保険は、1年契約だけでなく、5年や10年といった長期契約も選べます。長期契約にすると、1年あたりの保険料が割安になることがあります。
例えば、1年契約で年間15,000円の保険料が、5年契約にすると総額70,000円(年間14,000円相当)になるといったケースがあります。
ただし、長期契約の場合、契約時に全額を一括で支払う必要があることが多いため、初期費用としてまとまった金額が必要になります。
自分の場合の保険料を知るには

ここまで読んでも、「結局、自分の場合はいくらなんだろう」という疑問は残るかもしれません。
それは当然のことです。マンションの火災保険料は、あなたのマンションの条件、あなたが選ぶ補償内容、あなたが加入する保険会社によって変わるからです。
複数の保険会社で見積もりを取る
一つの方法は、実際に見積もりを取ってみることです。
多くの保険会社は、オンラインで簡易的な見積もりを出せるサービスを提供しています。マンションの所在地、専有面積、築年数、希望する補償内容を入力すれば、おおよその保険料が分かります。
1社だけでなく、複数の保険会社で見積もりを取ることで、「自分の条件での相場感」がつかめてくることがあります。
- マンションの所在地(都道府県・市区町村)
- 専有面積(㎡)
- 築年数
- 建物の構造(通常はM構造)
- 希望する補償内容
- 地震保険の有無
管理組合の火災保険と個人の火災保険の違い
マンションには、管理組合が加入する「共用部分の火災保険」と、個人が加入する「専有部分の火災保険」があります。
管理組合の火災保険は、エントランスや廊下、外壁など、共用部分を対象としています。これとは別に、自分の部屋の中(専有部分)については、個人で火災保険に加入する必要があります。
「マンションだから火災保険は管理組合が入っている」と思っていると、いざというときに自分の部屋の損害が補償されないことがあります。この違いを理解しておくことも一つの視点です。
保険相談という選択肢もある
見積もりを取ってみても、どの補償が自分に必要なのか判断がつかない、ということもあるかもしれません。
そういうときは、保険の無料相談を利用して、自分の状況を整理するという方法もあります。
相談したからといって、その場で契約する必要はありません。話を聞いて、自分の状況を確認するだけでも構いません。
もちろん、相談しないという選択もあります。自分で調べて、納得できる保険を見つけられるなら、それでいいのです。
どちらを選んでも、それはあなたが決めることです。
まとめ
- マンション火災保険料は、建物の構造、階数、専有面積、補償内容によって大きく変わることがある
- 一般的な条件では年間10,000〜20,000円程度が目安とされることがあるが、条件次第で幅がある
- 「相場」を知るよりも、自分の条件で複数社の見積もりを取ることで、自分の状況が見えてくることがある
- 補償内容が同じ条件で比較しないと、保険料だけでは判断できない
マンションの火災保険料について調べていると、「結局いくらなんだろう」という疑問が解消されないまま、情報の海に迷い込んでしまうことがあります。
それは、あなたが情報を理解できていないからではなく、火災保険という商品そのものが、条件によって大きく変わる仕組みになっているからです。
保険について考えるタイミングや方法は、人それぞれです。今すぐ決める必要はありません。
自分で調べてもいいし、誰かに相談してもいい。どちらを選んでも、それはあなたが決めることです。