「貯蓄型保険と終身保険って何が違うんだろう」と調べ始めたあなたへ

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の保険商品の推奨や、個別の状況に対する判断を示すものではありません。保険の選択については、ご自身の状況に合わせてご検討ください。
保険について調べていると、「貯蓄型保険」「終身保険」という言葉がよく出てきます。でも、この2つの関係がよく分からない。同じものなのか、違うものなのか。そもそも自分が考えているのはどちらなのか。
調べれば調べるほど、情報が混ざってしまう。そんな状態で立ち止まってしまうことは、決して珍しいことではありません。
保険の種類や分類は、説明する人や会社によって言葉の使い方が微妙に違うことがあります。だから混乱するのは当然です。この記事では、「貯蓄型保険」と「終身保険」という2つの言葉の関係を、できるだけシンプルに整理していきます。
「貯蓄型保険」と「終身保険」の関係
まず、この2つの言葉の関係から整理しましょう。
「貯蓄型保険」は保険の性質を表す言葉です。保険料の一部が積み立てられて、解約したときや満期を迎えたときにお金が戻ってくる仕組みを持つ保険全般を指します。
一方、「終身保険」は保険の種類を表す言葉です。一生涯の死亡保障が続く保険のことを指します。
つまり、「貯蓄型保険」という大きなグループの中に、「終身保険」も含まれているという関係です。
「貯蓄型保険」は性質(お金が貯まる仕組み)
「終身保険」は種類(一生涯の保障)
終身保険は貯蓄型保険の一種です
ただし、すべての終身保険が貯蓄性を持つわけではありません。最近では、保障に特化して保険料を抑えた「掛け捨て型の終身保険」も存在します。
貯蓄型保険にはどんな種類があるのか

「貯蓄型保険」という性質を持つ保険には、終身保険以外にもいくつかの種類があります。
終身保険
一生涯の死亡保障が続く保険です。保険料の払込期間を終えた後も保障は続き、解約すると解約返戻金を受け取れます。払込期間が長くなるほど、解約返戻金は増えていく傾向があります。
保険料は比較的高めですが、保障と貯蓄の両方の機能を持つ点が特徴です。
養老保険
満期までの期間(例えば10年や20年)が決まっている保険です。満期を迎えると、死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れます。
保険期間中に亡くなった場合も、満期まで生きていた場合も、同じ金額が支払われる仕組みです。そのため、保険料は終身保険よりもさらに高くなります。
学資保険
子どもの教育資金を準備するための保険です。契約者(親)に万が一のことがあった場合、以降の保険料払込が免除され、満期時には予定通りの学資金を受け取れます。
進学のタイミングに合わせて、祝い金や満期保険金を受け取れる設計になっています。
個人年金保険
老後の生活資金を準備するための保険です。一定期間保険料を払い込み、その後、年金として受け取ります。
受取方法は、10年などの期間を決めて受け取る「確定年金」、生きている限り受け取れる「終身年金」などがあります。
終身保険の中でも種類がある
「終身保険」という言葉でひとくくりにされていますが、実は終身保険の中にもいくつかのタイプがあります。
定額終身保険
最も一般的なタイプです。契約時に決めた保険金額が、一生涯変わらずに保障されます。解約返戻金の額も、契約時にある程度予測できます。
予定利率が固定されているため、将来受け取れる金額が分かりやすい点が特徴です。
変額終身保険
保険金額や解約返戻金の額が、運用実績によって変動するタイプです。株式や債券などで運用され、運用がうまくいけば保険金や解約返戻金が増えます。
ただし、運用がうまくいかなければ、解約返戻金が払込保険料を下回ることもあります。死亡保険金には最低保証がついていることが一般的です。
低解約返戻金型終身保険
保険料払込期間中の解約返戻金を、通常の終身保険より低く設定することで、保険料を抑えたタイプです。
払込期間中に解約すると、解約返戻金は払込保険料の70%程度になることもあります。しかし、払込期間を終えると、解約返戻金は通常の終身保険と同程度まで増えます。
低解約返戻金型の場合、払込期間中に解約すると大きく元本割れする可能性があります。長期的に続けられる前提で検討する必要があります。
貯蓄型保険を選ぶときに考えておきたいこと

貯蓄型保険を検討するとき、いくつかの視点があります。どれという考え方もありますということではなく、自分の状況に照らして考える材料として整理しておきます。
保障と貯蓄のどちらを重視するか
終身保険は保障と貯蓄の両方の機能を持ちますが、どちらを重視するかで選び方が変わります。
保障を重視するなら、保険金額を優先して考えることになります。貯蓄を重視するなら、解約返戻金の推移や返戻率を確認することが多くなります。
いつ、どのくらいのお金が必要か
養老保険や学資保険のように、「いつまでに、いくら必要」という目的が明確な場合は、満期や受取時期から逆算して考えることができます。
終身保険の場合は、明確な期限がないため、「いつでも使える貯蓄」という位置づけで考えることもあれば、「老後資金」として長期的に置いておくことを前提に考えることもあります。
途中で解約する可能性
貯蓄型保険は、早期に解約すると元本割れすることが一般的です。
特に契約後5年から10年程度は、解約返戻金が払込保険料を大きく下回ることが多くあります。払込期間が長くなるほど、解約返戻金は増えていきますが、途中で生活環境が変わる可能性も考慮しておく必要があります。
他の選択肢との比較する際の視点
貯蓄を目的とする場合、保険以外の選択肢もあります。
銀行預金、投資信託、個人向け国債、つみたてNISAやiDeCoなど、それぞれに特徴があります。保険は「保障がついている」という点が他の選択肢との違いですが、その分、自由度は低くなります。
- 保障と貯蓄の機能を両立できる
- 強制的に積み立てられる仕組み
- 途中解約は元本割れのリスクがある
- 長期継続が前提の設計
「貯蓄型」と「掛け捨て型」という分け方
保険を選ぶとき、「貯蓄型」と「掛け捨て型」という分け方で比較する際の視点されることがあります。
掛け捨て型の保険は、解約返戻金がないか、あってもごくわずかです。その分、保険料は貯蓄型よりも大幅に安くなります。
例えば、同じ1,000万円の死亡保障を得るために必要な保険料を比較する際の視点すると、掛け捨て型の定期保険なら月額2,000円から3,000円程度で済むこともあります。一方、貯蓄型の終身保険だと、月額2万円を超えることもあります。
どちらが良いということではなく、保障を重視するなら掛け捨て型、保障と貯蓄を両立したいなら貯蓄型という考え方もあります。あるいは、掛け捨て型の保険で保障を確保しつつ、別途貯蓄や投資を行うという組み合わせ方もあります。
終身保険の「返戻率」について

貯蓄型保険を比較する際の視点するとき、「返戻率」という言葉がよく出てきます。
返戻率とは、払い込んだ保険料の総額に対して、解約返戻金や満期保険金がどのくらいの割合になるかを示す数字です。
例えば、総額300万円の保険料を払い込んで、解約返戻金が330万円だった場合、返戻率は110%になります。
ただし、返戻率は解約するタイミングによって大きく変わります。払込期間中は70%程度しかないこともあれば、払込終了後20年経てば120%を超えることもあります。
返戻率だけで比較する際の視点すると、保障内容や保険料の払込期間の違いが見えなくなることがあります。いつ、どのくらいのお金が必要かという視点も合わせて考える必要があります。
まとめ
- 「貯蓄型保険」は性質、「終身保険」は種類を表す言葉
- 終身保険は貯蓄型保険の一種だが、すべての終身保険が貯蓄型とは限らない
- 貯蓄型保険には終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険などがある
- 終身保険の中にも、定額型、変額型、低解約返戻金型などのタイプがある
- 早期解約は元本割れのリスクがあり、長期継続が前提の設計
保険の言葉は、説明する人によって少しずつ使い方が違うことがあります。だから混乱するのは自然なことです。
「貯蓄型保険」と「終身保険」の関係を理解することは、保険を選ぶときの第一歩ではありますが、それだけで答えが出るわけではありません。保障が必要なのか、貯蓄が必要なのか、それとも両方必要なのか。いつ、どのくらいのお金が必要なのか。途中で解約する可能性はあるのか。
そうした問いに対する答えは、人それぞれです。あなたがご自身のペースで考えを整理していくきっかけになれば幸いです。
保険について考えるタイミングや方法は、人それぞれです。焦る必要はありません。気になることがあれば、またいつでもこのページに戻ってきてください。