学資保険のメリット・デメリットを整理する前に知っておきたい基本と判断軸

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況により最適な判断は異なります。必要に応じて公的情報や専門家へご確認ください。

この記事で分かること
  • 学資保険を検討する際に多くの人が抱く疑問
  • 学資保険の基本的な仕組み
  • 学資保険のメリット

学資保険を検討する際に多くの人が抱く疑問

学資保険を検討する際に多くの人が抱く疑問

子どもの教育費を準備する方法として学資保険を検討している方の中には、「本当に必要なのか」「他の方法と何が違うのか」といった疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。学資保険にはメリットとデメリットの両面があり、家計状況や価値観によって判断が分かれる商品でもあります。

この記事では、学資保険の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、他の教育費準備方法との比較する際の視点まで、判断に必要な情報を整理してお伝えします。ただし、最適な選択は家庭の状況により異なることを前提にお読みください。

学資保険の基本的な仕組み

学資保険は、子どもの教育費を計画的に準備するための貯蓄性保険です。毎月一定の保険料を支払い、子どもの進学時期(高校入学、大学入学など)に学資金を受け取る仕組みになっています。

主な特徴

学資保険には以下のような基本的な特徴があります:

  • 貯蓄機能:毎月の保険料が積み立てられ、満期時や進学時に学資金として受け取れる
  • 保障機能:契約者(多くは親)が死亡・高度障害状態になった場合、以後の保険料支払いが免除される[1]
  • 税制優遇:生命保険料控除の対象となり、所得税・住民税の軽減効果がある[2]
  • 強制貯蓄効果:口座振替により自動的に積み立てが行われる

契約可能年齢と保険期間

学資保険の契約可能年齢は一般的に以下の通りです[3]

対象者 年齢制限 備考
被保険者(子ども) 0歳〜6歳程度 出生前加入可能な商品もある
契約者(親) 18歳〜65歳程度 保険会社により異なる

保険期間は子どもが17歳または18歳になるまでが一般的で、大学入学資金の準備を主な目的としています。

学資金の受取方法

学資金の受取方法には複数の選択肢があります:

  • 満期一括型:大学入学時(18歳)に一括で受け取る
  • 祝金併用型:小学校・中学校・高校入学時に祝金、大学入学時に満期保険金
  • 年金型:大学在学中(18〜22歳)に毎年分割で受け取る

それぞれ返戻率や使い勝手が異なるため、教育費の必要時期に合わせて選択することが重要です。

前提・注意
  • 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
  • 制度や税制は変更される可能性があります。
  • 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。

学資保険のメリット

学資保険のメリット

確実な教育費準備ができる

学資保険の最大のメリットは、確実性の高い教育費準備ができることです。毎月自動的に保険料が引き落とされるため、「気がついたら貯まっていない」という事態を避けられます。また、満期保険金は契約時に確定するため、将来受け取れる金額が明確です。

契約者の万が一に備えられる

契約者が死亡・高度障害状態になった場合、以後の保険料支払いが免除され、学資金は予定通り受け取れます[1]。これは銀行預金や投資信託にはない大きな特徴で、「親に万が一のことがあっても子どもの教育費は確保したい」という不安に対応できます。

税制上の優遇を受けられる

学資保険の保険料は生命保険料控除の対象となり、年間の所得税・住民税を軽減できます[2]。一般生命保険料控除の枠を使用し、年間保険料8万円超で所得税は最大4万円、住民税は最大2.8万円の控除を受けられます。

元本を上回る可能性がある

商品によっては、満期時の受取総額が払込保険料総額を上回る場合があります[3]。返戻率(受取総額÷払込保険料総額×100)が100%を超える商品では、銀行預金よりも有利な資産形成が期待できます。ただし、返戻率は商品や契約条件により大きく異なります。

契約者貸付制度が利用できる

急にまとまった資金が必要になった場合、解約返戻金の一定範囲内で資金を借り入れできる契約者貸付制度があります[1]。解約せずに資金調達ができるため、学資保険を継続しながら一時的な資金需要に対応可能です。

学資保険のデメリット

中途解約時の元本割れリスク

学資保険の大きなデメリットは、早期解約時の元本割れリスクです。契約から数年以内に解約した場合、解約返戻金が払込保険料総額を大幅に下回る可能性があります[1]。特に契約初期は解約返戻金がほとんどない場合もあり、家計状況の変化により継続が困難になった際のリスクが大きいと言えます。

インフレリスクに対応できない

学資保険は契約時に受取金額が確定する固定金利商品のため、将来のインフレに対応できません。仮に年2%のインフレが15年間続いた場合、現在の100万円は約135万円の価値に相当することになりますが、学資保険の受取金額は契約時のまま変わりません。

資金の流動性が低い

学資保険は長期契約が前提のため、途中で資金が必要になった場合の選択肢が限られます。契約者貸付制度はありますが、利息が発生し、返済できない場合は保険契約が失効する可能性もあります。銀行預金のようにいつでも自由に引き出せる流動性はありません。

他の投資商品と比較する際の視点して利回りが低い

現在の低金利環境では、学資保険の返戻率は100%前後の商品が多く、長期投資としては利回りが低い傾向にあります。同じ期間で株式投資信託やつみたてNISAなどを活用した場合、より高いリターンが期待できる可能性があります。ただし、投資商品には元本割れリスクもあることを考慮する必要があります。

保険料負担が家計を圧迫する可能性

毎月の保険料支払いが家計の負担となり、他の重要な支出(生活費、住宅ローン、他の保険料など)に影響を与える可能性があります。教育費準備を優先するあまり、現在の生活が苦しくなっては本末転倒です。

他の教育費準備方法との比較する際の視点

他の教育費準備方法との比較する際の視点

教育費準備には学資保険以外にも複数の選択肢があります。それぞれの特徴を比較する際の視点してみましょう。

方法 安全性 流動性 リターン 保障機能 税制優遇
学資保険 低〜中 あり あり
銀行預金 なし なし
つみたてNISA 中〜高 なし あり
ジュニアNISA 中〜高 なし あり
終身保険 低〜中 あり あり

※リターンや安全性は商品や運用状況により異なります

それぞれの方法が向いている人

  • 学資保険:確実性を重視し、契約者の万が一への備えも同時に考えたい人
  • 銀行預金:元本保証と自由度を最も重視する人
  • つみたてNISA:ある程度のリスクを取って高いリターンを狙いたい人
  • 組み合わせ:リスク分散を図りたい人(例:学資保険50%、つみたてNISA50%

学資保険の保険料目安

学資保険の保険料は、契約者の年齢、子どもの年齢、保障額、保険期間により決まります。

保険料の具体例

30歳男性、子ども0歳、満期保険金200万円18歳満期の場合の月額保険料目安:

  • 返戻率重視型:月額8,500〜9,500円程度
  • 祝金併用型:月額9,000〜10,000円程度
  • 保障重視型:月額10,000〜11,000円程度

上記はあくまで参考値です。実際の保険料は、契約者の健康状態・職業・保険会社の商品設計により異なります。また、非喫煙者割引がある商品では、喫煙の有無により保険料に大きな差が生じる場合があります。

学資保険を選ぶ際の判断ポイント

学資保険を選ぶ際の判断ポイント

家計状況から考える

学資保険を検討する際は、まず現在の家計状況を整理することが重要です:

  • 毎月の余剰資金はどの程度あるか
  • 住宅ローンや他の固定費との兼ね合いはどうか
  • 緊急時の生活費(3〜6ヶ月分)は別途確保できているか
  • 契約者の生命保険(死亡保障)は十分か

教育費の必要時期と金額から考える

子どもの進路により必要な教育費は大きく異なります:

  • 公立コース:幼稚園〜高校まで公立、大学のみ私立の場合
  • 私立コース:小学校から私立の場合
  • 理系・医歯薬系:大学の学費が高額になる場合

必要時期と金額を具体的に想定し、学資保険でカバーする範囲を決めることが大切です。

リスク許容度から考える

教育費準備に対するリスク許容度は人により異なります:

  • リスク回避型:元本割れは一般的には避けたい → 学資保険や銀行預金が適している
  • リスク許容型:ある程度のリスクを取って高いリターンを狙いたい → つみたてNISAなどの投資商品も検討
  • バランス型:リスクを分散したい → 複数の方法を組み合わせる

まとめ

学資保険には確実な教育費準備と契約者保障というメリットがある一方、流動性の低さやインフレリスクなどのデメリットもあります。重要なのは、これらの特徴を理解した上で、家計状況や価値観に合った選択をすることです。

教育費準備は「学資保険かそれ以外か」という二択ではなく、複数の方法を組み合わせることも可能です。また、子どもの成長とともに家計状況も変化するため、定期的な見直しも大切です。

ここから先は人によって判断が分かれます。ご自身の年齢・家族構成に当てはめた具体的な検討方法については、さらに詳しい記事をご覧ください。

※個別の状況により最適な選択は異なります。具体的な商品選択の際は、複数の選択肢を比較検討することを考え方の一例します。