- マンションの火災保険選びで迷う理由
- マンション火災保険の基本的な仕組み
- マンション火災保険の補償内容と選び方
マンションの火災保険選びで迷う理由

マンションを購入したり賃貸で入居したりする際、「火災保険はどのように選べばいいのか」と迷う方は少なくありません。一戸建てとは異なる構造や共用部分の存在、管理組合の保険との関係など、マンション特有の事情があるためです。
この記事では、マンションの火災保険を選ぶ際に知っておきたい基本的な考え方と判断のポイントを整理します。ただし、建物の構造や立地条件、家族構成によって適切な選択は変わることをご理解ください。
マンション火災保険の基本的な仕組み
専有部分と共用部分の保険の違い
マンションの火災保険を理解する上で、まず「専有部分」と「共用部分」の違いを把握する必要があります。
- 専有部分:各住戸の内部(室内の壁紙、床材、設備機器など)
- 共用部分:エントランス、廊下、エレベーター、外壁、屋上など
共用部分については管理組合が保険に加入するのが一般的で、個人が加入する火災保険は主に専有部分を対象とします。ただし、専有部分の範囲は管理規約により異なるため、加入前に確認が重要です。
マンションの構造と保険料
火災保険料は建物の構造により大きく異なります[1]。マンションは一般的に以下の構造区分に分類されます。
| 構造区分 | 建物の種類 | 保険料水準 |
|---|---|---|
| M構造(マンション構造) | コンクリート造、鉄骨コンクリート造等の共同住宅 | 最も安い |
| T構造(耐火構造) | 鉄骨造などの耐火建築物 | 中程度 |
| H構造(非耐火構造) | 木造などの非耐火建築物 | 最も高い |
※構造区分は建築確認申請書や登記簿謄本で確認できます
多くのマンションはM構造に該当し、木造住宅(H構造)と比較する際の視点して保険料が大幅に安くなります。30代で専有部分1,000万円を保障する場合、年額**1万円〜3万円程度**が目安ですが、立地や補償内容により異なります[1]。
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
マンション火災保険の補償内容と選び方

基本的な補償内容
火災保険の補償対象となる災害には、法令で定められた基準があります[2]。マンションの火災保険で一般的に選択できる補償は以下の通りです。
| 補償の種類 | 対象となる事故 | マンションでの重要度 |
|---|---|---|
| 火災・落雷・破裂・爆発 | 火災、落雷、ガス爆発など | 必須 |
| 風災・雹災・雪災 | 台風、竜巻、雹、豪雪による損害 | 立地により判断 |
| 水災 | 洪水、高潮、土砂崩れなど | 階数・立地により判断 |
| 水濡れ | 給排水設備の事故、上階からの漏水 | 重要 |
| 盗難 | 盗難による損害、汚損 | セキュリティにより判断 |
| 破損・汚損等 | 不測かつ突発的な事故 | 日常生活のリスクとして検討 |
※補償内容は保険会社・商品により異なります
水災補償の考え方
マンションの火災保険選びで特に迷うのが水災補償です。水災補償の支払条件は保険会社により異なり、一般的には以下のような認定基準があります[2]。
- 床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水
- 損害割合が保険価額の30%以上
- 保険会社が定める基準を満たす土砂崩れ等
高層階の場合、洪水による直接的な被害は少ないものの、地下の電気設備が被害を受けてエレベーターや給排水設備が使用できなくなるケースもあります。ハザードマップでの立地確認とともに、建物全体の設備状況も考慮して判断しましょう。
免責金額の設定
免責金額(自己負担額)を設定することで、保険料を抑えることができます。一般的な選択肢は以下の通りです。
| 免責金額 | 保険料への影響 | 考え方 |
|---|---|---|
| 0円 | 保険料が最も高い | 小さな損害からカバーしたい場合 |
| 3万円 | 保険料がやや安くなる | バランス重視の場合 |
| 5万円 | 保険料が安くなる | ある程度の自己負担を許容する場合 |
| 10万円 | 保険料が大幅に安くなる | 大きな損害のみに備える場合 |
※保険料削減効果は補償内容や保険会社により異なります
マンションの場合、構造上大きな損害が発生しにくいことから、3万円〜5万円程度の免責金額を設定して保険料を抑える選択も合理的です。
地震保険の加入判断
地震保険の基本的な仕組み
地震保険は火災保険とセットで加入する保険で、地震・噴火・津波による損害を補償します。全国の地震保険付帯率は約65%となっています[1]。
地震保険の特徴は以下の通りです。
- 保険金額は火災保険金額の30%〜50%の範囲で設定
- 保険料は建物の所在地と構造により決定(国で統一)
- 損害の程度により「全損」「大半損」「小半損」「一部損」で認定
- 所得税・住民税の地震保険料控除の対象[3]
マンションでの地震保険の考え方
マンションの地震保険を検討する際は、以下の点を考慮しましょう。
| 検討ポイント | 加入を検討する場合 | 加入の優先度が下がる場合 |
|---|---|---|
| 建築年 | 1981年以前の旧耐震基準 | 2000年以降の新しい建物 |
| 立地 | 活断層や軟弱地盤の近く | 地盤が安定した地域 |
| 経済状況 | 貯蓄が少ない、住宅ローン残高が多い | 十分な貯蓄がある |
| 代替住居 | 実家などの避難先がない | 代替住居の確保が容易 |
※最終的な判断は個別の状況により異なります
地震保険は「元の生活を完全に復旧する」ためのものではなく、「当面の生活資金を確保する」目的で設計されています。完全な復旧を目指す場合は、貯蓄や他の手段との組み合わせが必要と感じる人もいます。
契約期間と保険料の考え方

契約期間の選択肢
火災保険の契約期間は最長10年まで選択でき、長期契約では割引が適用されます[1]。一般的な選択肢と特徴は以下の通りです。
| 契約期間 | 保険料割引 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 1年 | なし | 見直しの自由度が高い | 毎年の手続きが必要 |
| 5年 | 約10〜15% | 割引とのバランスが良い | 中途解約時の手続き |
| 10年 | 約15〜20% | 割引率が最も高い | 途中での条件変更が困難 |
※割引率は保険会社により異なります
長期契約時の注意点
長期契約を選択する場合は、以下の点に注意しましょう。
- **保険価額の変動**:リフォームや家財の増加で保険金額が不足する可能性
- **制度改正**:保険制度や税制の変更により条件が変わる可能性
- **引っ越し**:転居時は住所変更手続きが必要(保険料が変わる場合あり)
- **中途解約**:未経過期間に応じた返戻金はあるが、短期率により目減りする
住宅ローンの借入期間中や、当面転居の予定がない場合は長期契約のメリットを活用できます。一方、ライフスタイルの変化が予想される場合は、5年程度の中期契約も選択肢として検討できます。
まとめ
マンションの火災保険選びでは、専有部分と共用部分の保険の役割分担、建物構造による保険料の違い、立地や階数に応じた補償内容の選択が重要なポイントとなります。
特に水災補償や地震保険の加入判断、免責金額の設定、契約期間の選択については、**状況によって考え方は変わります**。ハザードマップでの立地確認、建物の築年数や構造、家計の状況を総合的に考慮した判断が必要と感じる人もいます。
個別の状況により判断は異なります。**より具体的な比較検討の方法は、別の記事で詳しく解説しています**。