- 自動車保険の等級リセットを検討する理由
- 等級制度の基本的な仕組み
- 等級リセットは可能なのか
自動車保険の等級リセットを検討する理由

自動車保険の等級が下がってしまい、保険料が高くなって困っているという相談をよく聞きます。事故で等級が下がった後、「等級をリセットできないか」「一度解約して新たに契約し直せば6等級からスタートできるのでは」と考える方も少なくありません。
この記事では、自動車保険の等級リセットの仕組みと、実際に検討する際の判断ポイントを整理します。ただし、等級制度や保険会社の対応は契約者の状況により異なるため、個別の判断が必要になる部分もあります。
等級制度の基本的な仕組み
等級とは何か
自動車保険の等級制度は、過去の事故歴に応じて保険料の割引・割増を決める仕組みです。1等級から20等級まであり、等級が高いほど保険料が安くなります。
新規契約者は通常**6等級**からスタートし、1年間無事故であれば翌年は7等級に上がります。一方、事故で保険を使用すると等級が下がり、保険料が上がる仕組みになっています。
事故による等級ダウンの影響
事故の種類により等級の下がり方が異なります:
- 3等級ダウン事故:対人・対物賠償、車両保険の使用など
- 1等級ダウン事故:火災・盗難・いたずらなど
- ノーカウント事故:人身傷害保険のみの使用など
3等級ダウン事故の場合、等級が3つ下がるだけでなく、**事故有係数適用期間**が3年間設定されます。この期間中は同じ等級でも事故なしの場合より保険料が高くなります。
等級リセットは可能なのか

原則:等級リセットはできない
結論から言うと、自動車保険の等級を任意にリセットすることは**原則として不可能**です。保険会社を変更しても、等級は引き継がれる仕組みになっているためです。
これは、保険業界全体で等級情報を共有する仕組みがあるためです。解約後すぐに他社で新規契約を結んでも、前契約の等級情報が反映されます。
中断制度による例外的なケース
ただし、**中断制度**を利用した場合に限り、一定条件下で等級の取り扱いが変わる可能性があります。
中断制度とは、車を手放すなどの理由で一時的に自動車保険を中断し、後で再開する際に等級を引き継げる制度です。中断証明書を発行してもらい、**10年以内**であれば中断時の等級で再契約できます。
13ヶ月経過による等級情報の削除
自動車保険を解約してから**13ヶ月間**が経過すると、保険会社間で共有される等級情報が削除されます。この場合、新たに契約する際は6等級からのスタートとなります。
ただし、この方法には以下のリスクがあります:
- 13ヶ月間は自動車保険に加入できない(車を運転できない)
- 車を所有し続ける場合、保管中の事故リスクがある
- 再契約時の年齢により保険料が変動する可能性がある
等級リセットを検討すべきケースと判断基準
- 検討が意味を持つ可能性があるケース
- 現在の等級が**1〜3等級**程度で、保険料が著しく高い
- 車を手放す予定があり、将来的に再度購入する可能性がある
- 家族の運転者追加により、リスク構造が大きく変わる
- 保険料の比較検討
当てはまるほど、必要性が高くなる可能性があります。
検討が意味を持つ可能性があるケース
等級リセット(13ヶ月経過後の新規契約)を検討する意味があるのは、以下のような限定的なケースです:
- 現在の等級が**1〜3等級**程度で、保険料が著しく高い
- 車を手放す予定があり、将来的に再度購入する可能性がある
- 家族の運転者追加により、リスク構造が大きく変わる
保険料の比較検討
等級リセットを検討する際は、具体的な保険料を比較する際の視点することが重要です。
| 等級 | 割引率(事故なし) | 割引率(事故あり) | 保険料目安(年額) |
|---|---|---|---|
| 1等級 | +64% | +64% | 約16万円 |
| 3等級 | +12% | +12% | 約11万円 |
| 6等級 | -19% | -19% | 約8万円 |
| 10等級 | -45% | -23% | 約5.5万円 |
※30歳男性、車両保険付きの場合の目安。実際の保険料は車種、使用目的、地域により異なります
上記の例では、1等級の場合と6等級の場合で年間約8万円の差があります。ただし、等級は毎年上がっていくため、長期的な視点での比較する際の視点が必要と感じる人もいます。
中断証明書の活用
車を手放す予定がある場合は、中断証明書の発行を検討しましょう。中断証明書があれば:
- 現在の等級を**10年間**保持できる
- 再契約時に等級の引き継ぎが可能
- 13ヶ月経過を待つ必要がない
中断証明書の発行には以下の条件があります:
- 車両の廃車・譲渡・返還
- 車検切れ
- 長期入院などによる運転不可
等級制度以外の保険料節約方法

補償内容の見直し
等級リセットを検討する前に、以下の方法で保険料を下げられる可能性があります:
- 車両保険の免責金額を上げる(5万円→10万円など)
- 運転者限定を設定する(本人・配偶者限定など)
- 使用目的を見直す(日常・レジャー使用への変更)
- 年間走行距離に応じた割引を活用する
保険会社の比較検討
同じ等級・補償内容でも、保険会社により保険料は異なります。ダイレクト型(ネット系)保険会社では、代理店型より保険料が安い傾向があります。
ただし、事故対応の体制や拠点数なども考慮して選択することが大切です。
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
まとめ
自動車保険の等級リセットは原則として不可能ですが、13ヶ月間の中断後に新規契約する方法は存在します。ただし、この方法にはリスクも伴うため、慎重な検討が必要と感じる人もいます。
重要なポイントは以下の通りです:
- 等級の任意リセットは原則不可能
- 13ヶ月中断後の新規契約は可能だが、リスクを伴う
- 中断証明書の活用も選択肢の一つ
- 補償内容の見直しや保険会社の変更も検討する
状況によって考え方は変わります。ご自身の等級、保険料、車の使用状況を総合的に判断することが大切です。より具体的な比較検討の方法は、別の記事で詳しく解説しています。