- 賃貸住宅でも地震保険への加入を検討すべき
- 賃貸住宅における地震保険の基本知識
- 賃貸住宅で地震保険が必要かを判断する考え方
賃貸住宅でも地震保険への加入を検討すべき?

- 賃貸住宅における地震保険の基本的な仕組み
- 地震保険でカバーされる範囲と限界
- 加入の必要性を判断する際の考え方
- 保険料の目安と費用対効果の検討方法
当てはまるほど、必要性が高くなる可能性があります。
賃貸住宅にお住まいの方から「地震保険は必要でしょうか?」というご相談をよく受けます。建物は大家さんの所有だし、家財にそれほど高価なものはないから不要では?と考える方も多いでしょう。
一方で、近年の地震災害を見ると「備えておいた方が良いのでは」という不安も生まれます。賃貸住宅における地震保険の必要性は、家財の価値や生活再建費用をどう考えるかによって判断が変わってきます。
この記事では以下のポイントを整理します:
- 賃貸住宅における地震保険の基本的な仕組み
- 地震保険でカバーされる範囲と限界
- 加入の必要性を判断する際の考え方
- 保険料の目安と費用対効果の検討方法
なお、地震保険の必要性は家族構成や家財の価値、経済状況によって大きく異なることを前提として読み進めてください。
賃貸住宅における地震保険の基本知識
地震保険とは何をカバーする保険か
地震保険は、地震・噴火・これらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害を補償する保険です。賃貸住宅の場合、建物は大家さんの所有物のため、入居者が加入する地震保険は家財のみが対象となります。
家財とは、家具・家電・衣類・食器・書籍など、生活に使用する動産全般を指します。パソコンやテレビ、冷蔵庫、洗濯機、ソファ、ベッド、食器棚の中身まで含まれます。
地震保険の契約条件と制限
地震保険には以下の特徴があります:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約方法 | 火災保険とセットでのみ加入可能 |
| 保険金額 | 火災保険の家財保険金額の30〜50%の範囲内 |
| 限度額 | 家財:1,000万円 |
| 契約期間 | 1年間または5年間 |
| 保険料 | 所在地と建物構造により決定 |
※地震保険は法律に基づく制度のため、保険会社による商品内容の違いはありません
損害の認定基準と支払われる保険金
地震保険では、損害の程度に応じて以下の区分で保険金が支払われます:
| 損害区分 | 認定基準(家財) | 支払保険金 |
|---|---|---|
| 全損 | 家財全体の時価額の80%以上の損害 | 保険金額の100% |
| 大半損 | 家財全体の時価額の60%以上80%未満の損害 | 保険金額の60% |
| 小半損 | 家財全体の時価額の30%以上60%未満の損害 | 保険金額の30% |
| 一部損 | 家財全体の時価額の10%以上30%未満の損害 | 保険金額の5% |
※時価額とは、同等の家財を新たに購入するのに必要な金額から使用による消耗分を差し引いた額
賃貸住宅で地震保険が必要かを判断する考え方

家財の価値を把握する
まず重要なのは、現在お住まいの賃貸住宅にある家財の総額を把握することです。一人暮らしの場合でも、家電製品だけで数十万円、家具や衣類、書籍なども含めると200万円〜400万円程度になることが一般的です。
家族世帯の場合は、子どもの学用品や趣味の道具なども含めると500万円を超えるケースも珍しくありません。これらが地震により損害を受けた場合の経済的影響を考えてみましょう。
生活再建にかかる費用を考える
地震により家財に損害を受けた場合、以下の費用が発生する可能性があります:
- 家財の買い直し費用:生活に最低限必要な家電・家具の購入
- 一時的な宿泊費:賃貸住宅が住めない状態になった場合
- 引っ越し費用:転居が必要になった場合
- 新居の初期費用:敷金・礼金・仲介手数料など
これらの合計額は、家財保険金だけでは賄えない場合も多く、貯蓄からの支出が必要になります。
経済状況に応じた考え方
地震保険の必要性は、以下の要素を総合的に判断して決めることになります:
| 検討要素 | 保険の必要性が高いケース | 保険の必要性が低いケース |
|---|---|---|
| 貯蓄額 | 家財の再購入費用を貯蓄で賄えない | 十分な貯蓄があり自己負担可能 |
| 家財の価値 | 高価な家電・家具が多い | 最低限の家財で生活している |
| 居住地域 | 地震発生リスクが比較的高い地域 | 地震発生リスクが比較的低い地域 |
| 家族構成 | 子どもがいる世帯(学用品等も多い) | 単身世帯で家財が少ない |
※地震のリスクは全国どこでも存在するため、「リスクが低い」は相対的な比較する際の視点です
地震保険の保険料と費用対効果
保険料の目安
地震保険の保険料は、建物の所在地と構造によって決まります。賃貸住宅の家財保険の場合の保険料例は以下の通りです:
| 所在地の例 | 建物構造 | 保険金額300万円の年間保険料 |
|---|---|---|
| 東京都 | マンション構造 | 年額7,200円程度 |
| 東京都 | 木造アパート | 年額25,500円程度 |
| 大阪府 | マンション構造 | 年額4,650円程度 |
| 大阪府 | 木造アパート | 年額12,900円程度 |
※上記は参考値です。実際の保険料は保険会社や割引制度の適用により異なります
地震保険料控除の活用
地震保険料は所得控除の対象となり、年間保険料の全額(最高5万円まで)が所得から控除されます[1]。これにより実質的な保険料負担を軽減できます。
例えば所得税率10%の方が年間2万円の地震保険料を支払った場合、所得税で2,000円、住民税で1,000円の合計3,000円程度の税額軽減効果があります[1]。
費用対効果の考え方
地震保険の費用対効果を考える際は、以下の視点が重要です:
- 確率と影響度:地震発生確率は低くても、発生時の経済的影響が大きい
- 代替手段との比較する際の視点:同じ保険料を貯蓄に回した場合との比較する際の視点
- 心理的な安心感:経済的効果だけでは測れない価値
「年間1万円の保険料を30年間支払うと30万円だが、その間に大地震が起きなければ損」という考え方もあれば、「万が一の際に数百万円の家財を失うリスクを年間1万円で回避できるなら安い」という考え方もあります。
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
地震保険加入時の注意点

補償されない損害
地震保険では以下の損害は補償対象外となります:
- 地震発生から10日を経過した後に生じた損害
- 保険契約者や被保険者の故意・重過失による損害
- 戦争・内乱・核燃料物質による損害
- 紛失・盗難による損害
火災保険との関係
地震保険は火災保険に付帯して契約する仕組みのため、火災保険を解約すると地震保険も自動的に解約となります。また、火災保険の家財保険金額を変更した場合、地震保険の保険金額も見直しが必要になる場合があります。
加入率の現状
全国の地震保険加入率は約35%程度となっており、3世帯に1世帯程度が加入している計算になります。地域別では、過去に大きな地震を経験した地域や、今後の地震発生確率が高いとされる地域で加入率が高い傾向にあります。
まとめ
賃貸住宅における地震保険の必要性は、家財の価値・貯蓄額・家族構成・居住地域のリスクなどを総合的に判断して決めることになります。
重要なポイントは以下の通りです:
- 賃貸住宅でも家財の総額は数百万円に及ぶ場合が多い
- 地震保険は火災保険とセットで加入し、家財保険金額の30〜50%が上限
- 保険料は建物所在地と構造により決まり、所得控除の対象となる
- 全損でも保険金額の100%、一部損では5%の支払いとなる
一般論だけでは決めきれない部分もあります。ご自身の家財の価値や貯蓄状況、地震に対する考え方によって判断が分かれるところです。
より具体的な保険金額の設定方法や、火災保険との組み合わせについては、別の記事で詳しく解説しています。