- 養老保険を検討する前に整理したいポイント
- 養老保険の基本的な仕組み
- 養老保険のメリット
養老保険を検討する前に整理したいポイント

「養老保険って実際どうなの?」「保険料が高いと聞くけれど、本当にメリットはあるの?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。養老保険は保障と貯蓄の両方の機能を持つ保険商品ですが、その特徴を正しく理解しないまま加入すると、期待していた効果が得られない可能性があります。
この記事では、養老保険の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、どのような人に向いているかまでを整理します。ただし、養老保険が適しているかどうかは、年齢・家族構成・資産状況により大きく異なることを前提として読み進めてください。
養老保険の基本的な仕組み
養老保険は、一定期間の死亡保障と満期時の資金準備を同時に行える保険商品です。保険期間中に亡くなった場合は死亡保険金が、満期まで生存していた場合は満期保険金が支払われます。
養老保険の基本構造
養老保険の最大の特徴は、死亡保険金と満期保険金が同額に設定されることです。例えば、死亡保険金500万円の養老保険に加入した場合、満期時にも500万円の満期保険金を受け取れます。
保険期間は10年、20年、30年といった一定期間で設定され、終身保障ではありません。満期を迎えると保険契約は終了し、その後の死亡保障はなくなります。
他の生命保険との違い
| 保険種類 | 死亡保障 | 満期保険金 | 保険料水準 |
|---|---|---|---|
| 養老保険 | あり | あり(死亡保険金と同額) | 高い |
| 定期保険 | あり | なし | 安い |
| 終身保険 | あり(一生涯) | なし | 中程度 |
| 個人年金保険 | なし(または少額) | あり | 中程度 |
※保険料水準は同じ保険金額・同条件での一般的な傾向です
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
養老保険のメリット

保障と貯蓄を同時に確保できる
養老保険の最大のメリットは、1つの商品で死亡保障と資金準備の両方ができることです。例えば、子どもの教育費準備を目的とする場合、準備期間中に万が一のことがあっても、教育資金を確保できます。
これは「定期保険+積立投資」の組み合わせとは異なり、どちらかを途中で止めてしまうリスクがありません。保険料の支払いを続ける限り、両方の機能が維持されます。
確実な資金準備ができる
満期保険金は契約時に確定するため、将来受け取れる金額が明確です。市場の変動に左右される投資商品と異なり、元本割れのリスクがありません(ただし、途中解約時は除く)。
特に、将来の支出が決まっている場合(子どもの大学進学費用、住宅ローンの一括返済資金など)には、計画的な資金準備ができます。
生命保険料控除の対象
養老保険の保険料は生命保険料控除の対象[1]となり、所得税・住民税の軽減効果があります。年間の保険料支払額に応じて、一定の所得控除を受けられます。
ただし、控除額には上限があり、他の生命保険に加入している場合は合算での適用となります。節税効果だけを目的とした加入は適切ではありません。
養老保険のデメリット
保険料が高い
養老保険は定期保険と比較する際の視点して保険料が割高になります。これは、死亡保障に加えて満期保険金の積立部分が含まれているためです。
具体的な保険料例を見てみましょう:
| 保険種類 | 保険金額 | 保険期間 | 月額保険料(目安) |
|---|---|---|---|
| 養老保険 | 500万円 | 20年 | 18,000〜22,000円程度 |
| 定期保険 | 500万円 | 20年 | 1,500〜2,500円程度 |
※30歳男性の場合の目安。実際の保険料は健康状態・保険会社により異なります
上記はあくまで参考値です。実際の保険料は、喫煙の有無・健康状態・職業・保険会社の商品設計により大きく異なります。
途中解約時のリスク
養老保険を途中で解約した場合、解約返戻金が払込保険料総額を下回るリスクがあります。特に、加入から数年以内の早期解約では、元本割れが生じる可能性が高くなります。
これは、保険会社の事業費や代理店手数料などが保険料に含まれており、契約初期にこれらの費用が差し引かれるためです。長期間継続することを前提とした商品設計になっています。
資金効率の問題
現在の低金利環境では、養老保険の満期保険金による資金増加効果は限定的です。満期時に受け取る金額が、払込保険料総額とほぼ同額、または若干上回る程度になることが一般的です。
「保険料を積立投資に回した方が資金効率が良いのでは」という考え方もあります。ただし、投資には元本割れのリスクがあるため、確実性を重視するか、収益性を重視するかで判断が分かれます。
満期保険金の税務上の扱い
満期保険金を受け取る際は、一時所得として課税される場合[1]があります。受取金額から払込保険料総額を差し引いた利益部分が50万円を超える場合に、超過分の2分の1が課税対象となります。
現在の低金利環境では利益が少ないため課税されないケースが多いですが、将来の税制改正や金利動向によっては影響を受ける可能性があります。
養老保険が向いている人・向いていない人

養老保険が向いている人
確実な資金準備を重視する人
将来の支出が明確で、元本割れのリスクを避けたい場合に適しています。特に、子どもの教育費や住宅ローンの返済資金など、「この時期に、この金額が必要」という目的がはっきりしている人に向いています。
投資経験が少ない人
株式や投資信託などの投資商品に不安がある場合、養老保険は確実性の高い選択肢となります。市場の変動を気にせず、長期間安定して積立を続けられます。
家族への保障も同時に確保したい人
資金準備期間中に万が一のことがあった場合の家族への保障も重視する人には、1つの商品で両方を確保できるメリットがあります。
養老保険が向いていない人
保険料負担を抑えたい人
同じ死亡保障額であれば、定期保険の方が保険料は大幅に安くなります。保険料を抑えて他の用途に資金を回したい場合は、「定期保険+別の積立方法」の組み合わせが適している可能性があります。
資金効率を重視する人
長期的な資産形成において収益性を重視する場合、積立投資などの方が期待リターンは高くなる可能性があります。ただし、元本割れのリスクがあることは理解しておく必要があります。
途中で資金が必要になる可能性が高い人
早期解約時の元本割れリスクを考えると、途中で資金が必要になる可能性が高い場合は適していません。より流動性の高い積立方法を検討した方が良いでしょう。
養老保険を検討する際の判断ポイント
- 目的の明確化
- 家計への影響の確認
- 他の選択肢との比較する際の視点
- 定期保険+積立投資:保険料を抑えつつ、投資で資金効率を追求
- 終身保険:一生涯の保障を重視する場合
当てはまるほど、必要性が高くなる可能性があります。
目的の明確化
まず、「何のために」「いつまでに」「いくら」必要かを明確にしましょう。目的が曖昧なまま加入すると、途中で継続が困難になったり、他の方法の方が適していたりすることがあります。
家計への影響の確認
養老保険の保険料は一般的に高額になるため、家計に無理のない範囲で設定することが重要です。他の必要な支出(住居費、教育費、老後資金準備など)とのバランスを考慮しましょう。
他の選択肢との比較する際の視点
養老保険以外の方法も含めて比較検討することが大切です:
- 定期保険+積立投資:保険料を抑えつつ、投資で資金効率を追求
- 終身保険:一生涯の保障を重視する場合
- 個人年金保険:老後資金準備が主目的の場合
- つみたてNISAなどの非課税投資:税制優遇を活用した資産形成
それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況や価値観に合った方法を選ぶことが重要です。
まとめ

養老保険は保障と貯蓄を同時に確保できる商品ですが、保険料が高い、資金効率が限定的といったデメリットもあります。確実な資金準備を重視し、家計に余裕がある場合には有効な選択肢となりますが、保険料負担や資金効率を重視する場合は他の方法も検討が必要と感じる人もいます。
ここから先は人によって判断が分かれます。ご自身の年齢・家族構成・資産状況・価値観によって、最適な選択肢は異なります。
より具体的な比較検討の方法は、別の記事で詳しく解説しています。個別の状況により判断は異なりますので、必要に応じて専門家への相談も検討してみてください。