- 定期保険と収入保障保険
- 保険金の受取方法による違い
- 保険料と保障期間の考え方
定期保険と収入保障保険、どちらを選ぶべきか迷う方へ

死亡保障を検討する際、定期保険と収入保障保険のどちらがよいか迷う方は多いです。どちらも一定期間の死亡保障を提供する保険ですが、保険金の支払い方法や保険料、保障の仕組みが異なります。
この記事では、定期保険と収入保障保険を比較検討する際の判断軸を整理し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを公平に解説します。ご自身の状況に合った選択ができるよう、判断に必要な視点を提供いたします。
保険金の受取方法による違い
まず最も大きな違いは、保険金の受取方法です。
定期保険の特徴
定期保険は、被保険者が保障期間中に亡くなった場合、契約時に決めた保険金額を一括で受け取る仕組みです。例えば、3,000万円の定期保険に加入していれば、万が一の際に3,000万円がまとめて支払われます。
メリット:
- まとまった金額を一度に受け取れるため、住宅ローンの完済や当面の生活資金の確保に適している
- 受け取った保険金の使い道を自由に決められる
- 保険金額が契約期間中変わらないため、保障内容がわかりやすい
デメリット:
- まとまった金額を受け取ることで、計画的な使用が難しい場合がある
- 収入保障保険と比較する際の視点すると保険料が高くなりがち
収入保障保険の特徴
収入保障保険は、被保険者が亡くなった時点から保障期間の満了まで、毎月決まった金額を年金形式で受け取る仕組みです。月額10万円の収入保障保険なら、保障期間が終わるまで毎月10万円を受け取り続けます。
メリット:
- 毎月定期的に受け取れるため、生活費として計画的に活用しやすい
- 逓減型の仕組みにより、定期保険より保険料を抑えられる
- 給与の代替としての役割を果たしやすい
デメリット:
- 一度にまとまった資金が必要な場合(住宅ローン完済等)には不向き
- 保障期間の後半で亡くなった場合、受取総額が少なくなる
なお、収入保障保険の多くは年金形式のほかに一時金での受取も選択できますが、一時金受取の場合は年金総額の60〜80%程度となります。この幅は保険会社の算定基準や残存保障期間により異なります。
保険料と保障期間の考え方

保険料の違い
一般的に、同じ保障内容で比較する際の視点すると収入保障保険の方が保険料を抑えられる傾向があります。これは収入保障保険が逓減型の仕組みを採用しているためです。
例えば、30歳男性、保障期間65歳満了の場合:
- 定期保険(3,000万円保障):月額8,000〜12,000円程度
- 収入保障保険(月額10万円保障):月額3,000〜4,500円程度
ただし、これらはあくまで目安であり、実際の保険料は喫煙の有無や健康状態、職業などにより異なります。
保障期間の設定方法
保障期間の設定方法にも違いがあります。
年満了と歳満了の違い:
- 年満了:契約から一定の「年数」が経過したら満了(例:10年満了=契約から10年で満了)
- 歳満了:被保険者が一定の「年齢」に達したら満了(例:65歳満了=65歳で満了)
定期保険では10年・20年・30年定期や65歳満了など、様々な期間設定が可能です。収入保障保険では主に歳満了(60歳・65歳満了など)が一般的で、最低支払保証期間(2年・5年など)が設定されている商品が多いです。
ライフステージに応じた選択の考え方
子育て世帯の場合
子育て世帯では、遺族の必要保障額を慎重に検討する必要があります[1]。一般的に、子育て世帯の月額生活費は20〜30万円程度、教育費は子ども1人あたり1,000〜2,000万円程度とされています[1]。
このような状況では:
- 収入保障保険:毎月の生活費をカバーしたい場合に適している
- 定期保険:住宅ローンの完済資金や教育費をまとめて確保したい場合に適している
- 組み合わせ:生活費は収入保障保険、住宅ローンは定期保険でカバーする方法もある
住宅ローンがある場合
住宅ローンの団体信用生命保険に加入していても、残債以外の保障を検討する場合があります。
- まとまった資金でローンを完済したい場合:定期保険が適している
- ローン完済後の生活費を重視する場合:収入保障保険が適している
税制上の取扱いと制度活用

生命保険料控除
どちらの保険も一般生命保険料控除の対象となり、年間保険料に応じて所得税・住民税の控除を受けられます[2]。控除限度額は所得税40,000円、住民税28,000円です[2]。
保険金受取時の税制
保険金受取時の税制にも違いがあります:
定期保険:
- 一括受取のため相続税の対象(みなし相続財産)
- 死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人数)が適用される
収入保障保険:
- 年金形式受取:初年度は相続税、2年目以降は所得税(雑所得)の対象
- 一時金受取:定期保険と同様に相続税の対象
- 死亡保険金の非課税枠の適用あり
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
検討時の注意点
- 逓減型の仕組みを理解する
- 保障内容の見直しタイミング
- 子どもの独立
- 住宅ローンの完済
- 退職・年金受給開始
当てはまるほど、必要性が高くなる可能性があります。
逓減型の仕組みを理解する
収入保障保険の多くは逓減型で、契約時から満期までの残り期間に応じて保険金総額が減少します。これは、時間が経つほど必要な保障期間が短くなるためです。子どもの成長とともに必要保障額が減る家庭には合理的な設計といえますが、遺族年金や教育費のピークなど、必要保障額の変動も考慮する必要があります。
保障内容の見直しタイミング
どちらを選んでも、ライフステージの変化に応じて保障内容を見直すことが大切です:
- 子どもの独立
- 住宅ローンの完済
- 退職・年金受給開始
まとめ

定期保険と収入保障保険の選択は、保険金の受取方法、保険料、ライフステージなど複数の要素を総合的に検討する必要があります。
主な判断軸:
- 資金の使い道:まとまった資金が必要なら定期保険、継続的な生活費なら収入保障保険
- 保険料負担:同程度の保障なら収入保障保険の方が安い傾向
- 家族構成:子育て期間の長さや住宅ローンの有無
- 受取方法の希望:一括か分割かの選択
今すぐ結論を出す必要はありません。焦らずに、ご自身のペースで検討してください。個別の状況により最適な選択は異なりますので、必要に応じて複数の選択肢を比較検討することを考え方の一例します。
FPへの相談は情報収集であり、その場で決める必要はありません。相談してみて、「違うな」と感じたら断って構いません。複数の保険相談窓口に相談して比較する際の視点することで、より納得した選択ができます。