転職時の保険手続きで迷ったときの基本的な考え方

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況により最適な判断は異なります。必要に応じて公的情報や専門家へご確認ください。

この記事で分かること
  • 転職時に発生する保険手続きの全体像
  • 退職時に必要な社会保険手続き
  • 転職時の民間保険見直しのポイント

転職時に発生する保険手続きの全体像

転職時に発生する保険手続きの全体像

転職が決まったとき、「保険の手続きって何をすればいいの?」「いつまでに何をやらなければならない?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。転職時には健康保険、雇用保険、厚生年金などの社会保険手続きに加え、民間の保険についても見直しのタイミングとなります。

この記事では、転職時に必要な保険手続きの基本的な流れと、それぞれの選択肢について整理します。手続きには期限があるものも多いため、まずは全体像を把握することが大切です。

退職時に必要な社会保険手続き

加入を検討しやすいチェック
  • 健康保険の切り替え手続き
  • 雇用保険(失業給付)の手続き
  • 厚生年金から国民年金への切り替え

当てはまるほど、必要性が高くなる可能性があります。

健康保険の切り替え手続き

転職時に最も重要な手続きの一つが健康保険の切り替えです。退職日の翌日から、それまで加入していた健康保険の資格を失うため、新しい保険への加入が必要になります。

選択肢は主に以下の3つです:

選択肢 加入条件 手続き期限 保険料負担
任意継続健康保険 退職前に2ヶ月以上の加入期間 **退職日から20日以内**[1] 全額自己負担(会社負担分もなくなる)
国民健康保険 住所地での加入 **退職日から14日以内** 前年所得に基づく保険料
家族の扶養 年収130万円未満など 退職後速やかに 扶養者の保険料に含まれる

※保険料は自治体や保険組合により異なります

**任意継続と国民健康保険の保険料比較する際の視点**は、前年の収入や住所地により大きく異なります[1]。一般的に、前年の収入が高かった場合は任意継続の方が安くなることが多く、収入が低かった場合や退職後の収入が大幅に減る場合は国民健康保険の方が安くなる傾向があります。

退職時には**保険証の返却**が義務付けられています[1]。返却を忘れると、資格喪失後に医療機関を受診した場合、後日医療費の返還を求められる可能性があります。

雇用保険(失業給付)の手続き

雇用保険の失業給付を受ける場合は、**離職日の翌日から1年以内**にハローワークでの手続きが必要と感じる人もいます。ただし、転職先が決まっている場合や、自営業を始める場合など、失業給付の対象とならないケースもあります。

受給には以下の条件があります:
– 離職前2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入期間(会社都合退職の場合は1年間に6ヶ月以上)
– 就職の意思と能力があること
– 積極的に求職活動を行っていること

厚生年金から国民年金への切り替え

会社員から自営業や無職になる場合は、厚生年金から国民年金への切り替え手続きが必要と感じる人もいます。**退職日から14日以内**に住所地の市区町村役場で手続きを行います[2]

転職先がすぐに決まっている場合は、新しい会社で厚生年金に加入するため、この手続きは不要と考える人もいます。ただし、転職先での入社日までに期間が空く場合は、一時的に国民年金への加入が必要になることがあります。

転職時の民間保険見直しのポイント

転職時の民間保険見直しのポイント

生命保険・医療保険の見直しタイミング

転職は民間の保険を見直す良いタイミングでもあります。収入の変化や家族構成の変化、将来の計画の見直しなどにより、必要な保障内容が変わる可能性があるためです。

見直しを検討する主なポイント:

**収入の変化による保障額の調整**
– 収入が増加した場合:保障額の増額や保障期間の延長を検討
– 収入が減少した場合:保険料負担を軽減するための保障内容の見直し

**勤務先の福利厚生制度の確認**
– 新しい会社の団体保険制度の有無
– 健康診断の内容や頻度
– 傷病手当金などの公的保障の確認

**保険料の支払い方法**
– 給与天引きから口座振替への変更
– 年払いへの変更による保険料割引の活用

転職期間中の保障空白期間への対応

転職先が決まっていない期間や、退職日と入社日の間に期間が空く場合は、保障の空白期間が生じる可能性があります。

**短期間の場合(1〜2ヶ月程度)**
– 既存の民間保険で当面の保障を確保
– 傷病手当金の**通算1年6ヶ月**の保障を確認(2022年1月改正により、復職期間は支給日数にカウントされなくなりました)

**長期間の場合(3ヶ月以上)**
– 国民健康保険または任意継続健康保険への加入
– 必要に応じて民間保険の保障内容を一時的に手厚くする検討

前提・注意
  • 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
  • 制度や税制は変更される可能性があります。
  • 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。

手続きの優先順位と注意点

期限のある手続きを最優先に

転職時の保険手続きには、期限が決められているものがあります。期限を過ぎると選択肢が狭まったり、保障の空白期間が生じたりする可能性があるため、以下の順序で進めることを考え方の一例します:

1. **健康保険の切り替え**(退職日から14〜20日以内)
2. **国民年金への切り替え**(退職日から14日以内、該当する場合)
3. **雇用保険の手続き**(離職日翌日から1年以内、失業給付を受ける場合)
4. **民間保険の見直し検討**(期限はないが、早めの検討が望ましい)

手続きに必要な書類の準備

スムーズに手続きを進めるため、以下の書類を事前に準備しておくことが重要です:

**退職時に会社から受け取る書類**
– 健康保険資格喪失証明書
– 離職票(雇用保険の手続きに必要)
– 源泉徴収票
– 厚生年金基金加入員証(該当する場合)

**自分で準備する書類**
– 身分証明書
– 印鑑
– 預金通帳(保険料の口座振替用)
– マイナンバーカードまたは通知カード

転職先での新しい保険制度の確認

転職先での新しい保険制度の確認

転職先が決まったら、新しい会社の保険制度についても確認しておきましょう。

社会保険の加入手続き

転職先での社会保険加入は、通常は会社が手続きを行います。ただし、以下の点は事前に確認しておくことが大切です:

– **加入予定日**:試用期間中の扱いや、入社日からの加入かどうか
– **保険料の計算方法**:標準報酬月額の決定方法
– **健康保険組合の種類**:協会けんぽか企業独自の健康保険組合か

企業独自の保険制度

多くの企業では、法定の社会保険に加えて独自の保険制度を設けています:

**団体生命保険**
– 一般的な生命保険より保険料が割安
– 退職時には個人契約への変更が必要
– 保障内容と保険料を既存の保険と比較検討

**団体医療保険**
– 企業が保険料の一部を負担するケースが多い
– 既存の医療保険との重複を避けるため、保障内容の調整が必要

**財形貯蓄**
– 給与天引きでの積立制度
– 一般財形、住宅財形、年金財形の種類と特徴を確認

まとめ

転職時の保険手続きは、社会保険の切り替えと民間保険の見直しの両面から考える必要があります。特に健康保険と国民年金の切り替えには期限があるため、退職が決まったら早めに手続きの準備を始めることが大切です。

民間保険については、転職を機に収入や生活環境の変化を踏まえて保障内容を見直すことで、より適切な保障を確保できる可能性があります。また、転職先の福利厚生制度を活用することで、保険料負担を軽減できる場合もあります。

ただし、状況によって考え方は変わります。転職の理由、収入の変化、家族構成、転職先の制度などにより、最適な選択肢は人それぞれ異なります。より具体的な比較検討の方法は、別の記事で詳しく解説しています。