- 住宅ローンを借りる際に多くの場合聞く「団信」とは何か
- 住宅ローン保険(団信)の基本的な仕組み
- 住宅ローン保険を検討する際の判断ポイント
住宅ローンを借りる際に多くの場合聞く「団信」とは何か

住宅ローンを検討する際、金融機関から「団体信用生命保険(団信)への加入が必要と感じる人もいます」と説明を受けることがほとんどです。しかし、この住宅ローン保険がどのような仕組みなのか、なぜ必要なのか、詳しく理解している人は多くありません。
住宅ローン保険は、借主に万一のことがあった場合に、残っているローンを保険金で完済する仕組みです。この記事では、住宅ローン保険の基本的な仕組みと、検討する際に知っておきたいポイントを整理します。
ただし、金融機関や商品によって条件は異なるため、実際の検討時には個別の商品内容を確認することが大切です。
住宅ローン保険(団信)の基本的な仕組み
保障の対象となる状況
住宅ローン保険では、一般的に以下の状況でローン残高が保険金で完済されます:
- 死亡:病気や事故による死亡
- 高度障害状態:両眼の視力を永久に失った場合、言語機能を永久に失った場合など、約款で定められた重篤な障害状態
近年は、がんと診断された場合や三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で所定の状態になった場合も保障する商品も登場しています。ただし、保障範囲が広がるほど保険料は高くなる傾向があります。
保険料の負担方法
住宅ローン保険の保険料は、主に以下の2つの方法で負担します[1]:
| 負担方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 金利上乗せ型 | ローン金利に年0.2〜0.3%程度上乗せ | 別途保険料の支払い不要 | 借入額が大きいほど負担増 |
| 保険料別払い型 | 毎月または年1回、保険料を別途支払い | ローン残高減少とともに保険料も減少 | 家計管理が複雑になる |
例えば、3,000万円のローンを借りる場合、金利上乗せ型では年間6万〜9万円程度の負担増となる計算です。ただし、これはあくまで目安で、実際の負担額は借入額や金利水準により異なります。
保障期間と保険金額の変化
住宅ローン保険は、ローンの返済期間と連動して保障が設計されています[2]:
- 保障期間:ローン完済まで(通常35年以内)
- 保険金額:ローン残高と同額(年々減少する逓減型)
つまり、ローンを返済するにつれて保険金額も減少し、完済と同時に保障も終了します。これは一般的な生命保険とは異なる特徴です。
住宅ローン保険を検討する際の判断ポイント

- 加入義務の有無による選択肢の違い
- 既存の生命保険との関係性
- 保障の重複:既存の生命保険でローン返済に十分な保障があるかどうか
- 保障の役割分担:住宅ローン分と生活費分を分けて考える方法
- 保険料の総額:住宅ローン保険の追加により、保険料負担が家計に与える影響
当てはまるほど、必要性が高くなる可能性があります。
加入義務の有無による選択肢の違い
住宅ローン保険への加入要否は、利用する金融機関により異なります:
| 金融機関タイプ | 加入要否 | 選択肢 |
|---|---|---|
| 民間金融機関 | 原則必須 | 指定された保険商品から選択 |
| フラット35 | 任意 | 加入するかどうかから選択可能 |
民間金融機関では加入が融資条件となっているケースがほとんどです。一方、住宅金融支援機構のフラット35では任意加入のため、他の生命保険との兼ね合いを考慮して判断できます。
既存の生命保険との関係性
住宅ローン保険を検討する際は、現在加入している生命保険との関係を整理することが重要です:
- 保障の重複:既存の生命保険でローン返済に十分な保障があるかどうか
- 保障の役割分担:住宅ローン分と生活費分を分けて考える方法
- 保険料の総額:住宅ローン保険の追加により、保険料負担が家計に与える影響
例えば、現在3,000万円の生命保険に加入している場合、住宅ローン保険に加入すれば、既存保険の一部を減額することで保険料負担を調整できる可能性があります。
税務上の取扱いについて
住宅ローン保険の保険料は、一定の条件下で生命保険料控除の対象となります[2]:
- 対象となる場合:保険料を借主が直接支払っている場合
- 控除額:一般生命保険料控除として年間最大4万円(所得税)
- 対象外の場合:金利上乗せ型で保険料が明確に区分されていない場合
ただし、既に他の生命保険で控除枠を使い切っている場合は、追加の節税効果は期待できません。
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
保険金請求時の注意点
請求手続きと期限
住宅ローン保険の保険金請求には、一定の期限と手続きが定められています:
- 請求期限:支払事由発生から3年以内(保険法の規定)
- 必要書類:死亡診断書、住民票、保険証券など
- 手続き窓口:借入先金融機関または保険会社
万一の際に家族が適切に請求できるよう、保険証券の保管場所や連絡先を共有しておくことが大切です。
支払対象外となるケース
住宅ローン保険でも、一般的な生命保険と同様に支払対象外となる場合があります:
- 契約から1年以内の自殺
- 契約者や受益者の故意による事故
- 告知義務違反による契約解除
- 保険料の滞納による契約失効
特に健康状態の告知については、正確に行うことが重要です。
他の保障制度との比較検討

遺族年金との関係
住宅ローン保険を検討する際は、公的な遺族保障も考慮に入れる必要があります:
- 遺族基礎年金:18歳未満の子がいる配偶者に年額約78万円+子の加算
- 遺族厚生年金:会社員の場合、平均標準報酬額に応じて支給
例えば、年収500万円の会社員で小学生の子が1人いる場合、遺族年金は年額130万〜150万円程度が見込まれます。住宅ローン保険でローンが完済されれば、この遺族年金で基本的な生活費をまかなえる可能性があります。
一般的な生命保険との使い分け
住宅ローン保険と一般的な生命保険には、それぞれ異なる特徴があります:
| 項目 | 住宅ローン保険 | 一般的な生命保険 |
|---|---|---|
| 保険金の使途 | ローン返済に限定 | 自由に使用可能 |
| 保険金額 | ローン残高に連動 | 契約時に設定した金額 |
| 保障期間 | ローン完済まで | 契約により様々 |
| 受益者 | 金融機関 | 指定した遺族 |
住宅ローン保険は「住居費の確保」、一般的な生命保険は「生活費の確保」という役割分担で考えると整理しやすくなります。
まとめ
住宅ローン保険は、万一の際にローン残高を保険金で完済する仕組みです。民間金融機関では加入が必須となることが多く、保険料は金利上乗せまたは別払いで負担します。
検討する際のポイントは以下の通りです:
- 既存の生命保険との保障の重複や役割分担
- 遺族年金などの公的保障との組み合わせ
- 保険料負担が家計に与える影響
- 税務上の取扱い(生命保険料控除の活用)
ただし、家族構成や収入状況、既存の保障内容によって考え方は変わります。一般論だけでは決めきれない部分もあります。
より具体的な比較検討の方法は、別の記事で詳しく解説しています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況により判断は異なります。具体的な検討の際は、金融機関や保険会社にご確認ください。