- 持病があっても入りやすい保険にはどんなデメリットがあるの
- 引受基準緩和型保険の基本的な仕組み
- 引受基準緩和型保険の主なデメリット
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
持病があっても入りやすい保険にはどんなデメリットがあるの?

健康状態に不安がある方でも加入しやすい引受基準緩和型保険。「持病があっても入れる」という魅力がある一方で、通常の保険とは異なる特徴やデメリットがあることも事実です。
「保険料が高いと聞いたけれど、どれくらい違うの?」「保障に制限があるって本当?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、引受基準緩和型保険のデメリットとその背景にある仕組みを整理し、検討する際の判断軸をお伝えします。ただし、デメリットの影響は年齢や健康状態、家族構成により大きく異なることも念頭に置いて読み進めてください。
引受基準緩和型保険の基本的な仕組み
引受基準緩和型保険とは
引受基準緩和型保険は、通常の保険よりも告知項目を少なくし、持病や既往歴がある方でも加入しやすくした保険商品です。一般的な保険では詳細な健康状態の告知や医師の診査が必要と感じる人もいますが、引受基準緩和型では**3〜5項目程度の簡単な告知**で加入の可否が判定されます。
主な告知項目は以下のような内容です:
- 過去3ヶ月以内に医師から入院・手術を勧められたことがあるか
- 過去2年以内に入院・手術をしたことがあるか
- 現在、がん・肝硬変・認知症などの特定の病気で治療を受けているか
これらの項目にすべて「いいえ」と回答できれば、基本的に加入が可能となります。
通常の保険との違い
| 項目 | 通常の保険 | 引受基準緩和型保険 |
|---|---|---|
| 告知項目 | 10〜15項目程度 | 3〜5項目程度 |
| 医師の診査 | 保険金額により必要 | 原則不要 |
| 加入可能性 | 健康状態により制限 | 簡単な告知で判定 |
| 保険料水準 | 標準 | 割高 |
※保険会社や商品により詳細は異なります
引受基準緩和型保険の主なデメリット

保険料が割高になる
引受基準緩和型保険の最も大きなデメリットは、**保険料が通常の保険より割高**になることです[1]。これは、健康リスクの高い方も加入するため、保険会社にとって保険金の支払いリスクが高くなることが理由です。
具体的な保険料例を見てみましょう:
医療保険の場合(40歳男性、入院給付金日額5,000円)
- 通常の医療保険:月額1,500〜2,500円程度
- 引受基準緩和型:月額3,000〜4,500円程度
つまり、**1.5〜2倍程度の保険料差**が生じることが一般的です[1]。ただし、これはあくまで目安であり、実際の保険料は喫煙の有無・詳細な健康状態・保険会社の商品設計により異なります。
契約当初の保障が削減される
引受基準緩和型保険では、**契約から1年間は保険金・給付金が50%に削減される**商品が多くあります。これは「削減期間」と呼ばれ、契約直後の保険金請求を抑制する目的で設定されています。
削減期間の例:
- 医療保険:入院給付金日額5,000円 → 1年間は2,500円
- 死亡保険:死亡保険金500万円 → 1年間は250万円
ただし、不慮の事故による場合は削減されない商品もあります。
既往症の再発・悪化は保障対象外
**契約前に発症していた病気の再発や悪化は、一定期間保障対象外**となります。この期間は「免責期間」と呼ばれ、多くの商品で契約から1〜2年間設定されています。
例えば、過去に糖尿病の治療歴がある方が加入した場合、契約から1年間は糖尿病の悪化による入院は給付金の対象外となります。一方で、契約後に新たに発症した病気(例:がん)については、削減期間を除いて通常通り保障されます。
保障期間に制限がある場合
引受基準緩和型保険の中には、**保障期間が80歳や85歳までに限定**されている商品があります。通常の保険では終身保障を選択できる場合でも、引受基準緩和型では選択肢が制限されることがあります。
また、更新型の場合は更新時の年齢により保険料が大幅に上昇する可能性も考慮する必要があります。
デメリットをどう考えるか:判断のポイント
保険料の割高感をどう評価するか
保険料が割高であることは確かにデメリットですが、以下の視点で考えることも大切です:
通常の保険に加入できない場合
健康状態により通常の保険に加入できない方にとって、引受基準緩和型は貴重な選択肢です。「割高でも保障を確保できる価値」と「保険料負担」のバランスを考える必要があります。
将来の保険料上昇リスク
健康状態が悪化すれば、将来はさらに加入が困難になる可能性があります。現在加入できるタイミングで確保しておく意味もあります。
家計への影響
月額の保険料差額を年間・10年間で計算し、家計に与える影響を具体的に検討しましょう。40歳男性の例では月額1,500〜3,000円の差額が生じるため、年間では18,000〜36,000円程度の負担増となります。
削減期間・免責期間の考え方
緊急性の高い保障ニーズがある場合
契約直後から満額の保障が必要な状況では、削減期間は大きなデメリットとなります。一方で、将来の保障確保が主目的であれば、削減期間は一時的な制限と考えることもできます。
既往症の状況による判断
現在治療中の病気がある場合、その再発・悪化リスクと新たな病気のリスクを比較する際の視点して検討する必要があります。既往症のリスクが高い場合は、免責期間の影響をより慎重に評価すべきでしょう。
他の選択肢との比較する際の視点
貯蓄での備え
保険料の差額分を貯蓄に回し、自分で医療費に備える方法もあります。ただし、貯蓄には時間がかかることと、大きな医療費には対応しきれない可能性があることも考慮が必要と感じる人もいます。
公的保障の活用
会社員の方は傷病手当金により、病気やケガで働けなくなった場合に**標準報酬月額の30分の1の3分の2**(おおよそ給与の3分の2程度)が**通算1年6ヶ月**支給されます。2022年1月の改正により、復職期間は支給期間にカウントされなくなったため、復職後に再び働けなくなった場合も残りの期間を受給できるようになりました。
また、高額療養費制度により月の医療費負担には上限があります。これらの公的保障でカバーされる部分を把握した上で、民間保険の必要性を検討することが重要です。
年齢・家族構成による考え方の違い
若い世代の場合
30〜40代であれば、保険料を支払う期間が長期間になるため、割高な保険料の累計額は大きくなります。一方で、将来さらに健康状態が悪化するリスクもあるため、早期の加入にもメリットがあります。
高齢世代の場合
50代以降であれば、保険料を支払う期間は相対的に短くなります。また、健康リスクが現実的になる年代でもあるため、保障の必要性は高まります。
家族がいる場合
配偶者や子どもがいる場合は、死亡保障や就業不能保障の必要性が高くなります。家族の生活費や教育費を考慮し、保障の優先度を判断する必要があります。
まとめ

引受基準緩和型保険のデメリットとして、保険料の割高さ、削減期間・免責期間の存在、保障期間の制限などがあります。しかし、これらのデメリットをどう評価するかは、個人の健康状態・年齢・家族構成・経済状況により大きく異なります。
重要なのは、通常の保険への加入可能性、公的保障でカバーされる範囲、貯蓄での備えとのバランスを総合的に検討することです。また、保険は一度加入すれば終わりではなく、状況の変化に応じて見直しを行うことも大切です。
状況によって考え方は変わりますし、一般論だけでは決めきれない部分もあります。より具体的な比較検討の方法については、さらに詳しい記事をご覧ください。
※個別の状況により判断は異なります。具体的な保険選びの際は、複数の商品を比較検討することを考え方の一例します。保険の請求には**3年間の時効**がありますので、該当する事由が発生した場合は早めに手続きを行いましょう。