- 医療保険の掛け捨てタイプを検討する理由
- 掛け捨て医療保険の基本知識
- 年代別の掛け捨て医療保険料相場
医療保険の掛け捨てタイプを検討する理由

医療保険を検討する際、「掛け捨てタイプの保険料相場はどれくらいなのか」「自分の年代では月額いくらが適正なのか」と疑問に思う方は多いでしょう。
医療保険には大きく分けて「掛け捨てタイプ」と「貯蓄タイプ」がありますが、掛け捨てタイプは保険料が安く、純粋に医療保障に特化している点が特徴です。一方で、解約返戻金や満期保険金がないため、「保険料が無駄になるのでは」と不安に感じる方もいらっしゃいます。
この記事では、医療保険の掛け捨てタイプの保険料相場を年代別に整理し、選び方の基本的な考え方をお伝えします。ただし、保険料は個人の健康状態や保障内容により大きく変わるため、あくまで目安として参考にしてください。
掛け捨て医療保険の基本知識
掛け捨てタイプと貯蓄タイプの違い
医療保険は保険料の性質により、以下の2つに分類されます。
| 項目 | 掛け捨てタイプ | 貯蓄タイプ |
|---|---|---|
| 保険料 | 安い | 高い |
| 解約返戻金 | なし(または少額) | あり |
| 満期保険金 | なし | 商品により異なる |
| 保障の特徴 | 医療保障に特化 | 医療保障+貯蓄機能 |
※保険会社・商品により詳細は異なります
掛け捨てタイプは、支払った保険料が純粋に医療保障のために使われるため、同じ保障内容であれば貯蓄タイプより保険料を抑えることができます。
掛け捨て医療保険の主な保障内容
一般的な掛け捨て医療保険では、以下のような保障が基本となります。
- 入院給付金:1日あたり5,000円〜10,000円程度
- 手術給付金:入院給付金日額の10〜40倍程度
- 通院給付金:特約として付加可能な商品が多い
- 先進医療特約:技術料相当額(通算2,000万円限度など)
入院給付金の日額設定は、差額ベッド代や食事代、家族の交通費など、公的医療保険でカバーされない費用を想定して決めることが一般的です。
年代別の掛け捨て医療保険料相場

掛け捨て医療保険の保険料は、年齢・性別・保障内容により決まります。ここでは入院給付金日額5,000円、終身保障、終身払いの条件での保険料目安をご紹介します[1]。
20代の保険料相場
| 年齢・性別 | 月額保険料の目安 | 年額換算 |
|---|---|---|
| 20代男性 | 1,200〜1,800円 | 14,400〜21,600円 |
| 20代女性 | 1,400〜2,200円 | 16,800〜26,400円 |
※入院給付金日額5,000円、終身保障・終身払いの場合の目安
20代は医療保険料が最も安い年代です。女性の方が保険料がやや高いのは、女性特有の疾患リスクを考慮しているためです。
30代の保険料相場
| 年齢・性別 | 月額保険料の目安 | 年額換算 |
|---|---|---|
| 30代男性 | 1,800〜2,500円 | 21,600〜30,000円 |
| 30代女性 | 2,000〜2,800円 | 24,000〜33,600円 |
※入院給付金日額5,000円、終身保障・終身払いの場合の目安
30代は結婚や出産などライフステージの変化が多い年代です。家族の医療費負担も考慮して保障内容を検討する方が増えます。
40代の保険料相場
| 年齢・性別 | 月額保険料の目安 | 年額換算 |
|---|---|---|
| 40代男性 | 2,800〜3,800円 | 33,600〜45,600円 |
| 40代女性 | 2,600〜3,600円 | 31,200〜43,200円 |
※入院給付金日額5,000円、終身保障・終身払いの場合の目安
40代になると疾患リスクが高まるため、保険料は30代の1.3〜1.5倍程度になります。この年代から男性の保険料が女性を上回る傾向があります。
50代以上の保険料相場
| 年齢・性別 | 月額保険料の目安 | 年額換算 |
|---|---|---|
| 50代男性 | 4,500〜6,200円 | 54,000〜74,400円 |
| 50代女性 | 3,800〜5,400円 | 45,600〜64,800円 |
※入院給付金日額5,000円、終身保障・終身払いの場合の目安
50代以上では保険料が大幅に上昇します。新規加入を検討する場合は、健康状態による引受制限も厳しくなる傾向があります。
保険料に影響する主な要因
上記の相場はあくまで参考値であり、実際の保険料は以下の要因により変動します。
健康状態と告知内容
医療保険の加入時には健康告知が必要と感じる人もいます。過去の病歴や現在の健康状態により、以下のような引受条件になります。
- 標準体:通常の保険料で加入
- 特別条件付き:保険料割増や部位不担保での加入
- 引受不可:加入できない
喫煙の有無
非喫煙者割引制度がある商品では、喫煙の有無により保険料が大きく変わります。非喫煙者の場合、保険料が10〜30%程度安くなることもあります。
職業による影響
危険職種に従事している場合、保険料の割増や加入制限がある場合があります。建設業、漁業、プロスポーツ選手などが該当することが多いです。
保障内容の違い
同じ「入院給付金日額5,000円」でも、以下の違いにより保険料は変わります。
| 項目 | 保険料への影響 |
|---|---|
| 支払限度日数 | 60日限度<120日限度<無制限 |
| 免責期間 | なし>あり(保険料は安くなる) |
| 手術給付金の倍率 | 10倍<20倍<40倍 |
| 特約の有無 | 基本保障のみ<特約付加 |
医療保険には免責期間(待機期間)を設ける商品もあります。これは契約から一定期間内に発生した疾病を保障対象外とする仕組みで、通常90日程度が設定されます。
高額療養費制度との関係

医療保険を検討する際は、公的医療保険の高額療養費制度との関係を理解することが重要です。
高額療養費制度の自己負担限度額
高額療養費制度では、1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合、超過分が払い戻されます[2]。例えば、70歳未満で年収約370〜770万円の方の場合、自己負担限度額は以下の計算式で求められます。
80,100円+(総医療費−267,000円)×1%
つまり、月の医療費が100万円かかった場合でも、実際の自己負担額は約87,400円となります。
高額療養費制度でカバーされない費用
一方で、以下の費用は高額療養費制度の対象外となるため、医療保険での備えを検討する価値があります。
- 差額ベッド代(個室料金など)
- 食事代の自己負担分
- 先進医療の技術料
- 通院時の交通費
- 家族の宿泊費や交通費
保険料控除制度の活用
医療保険の保険料は、生命保険料控除の対象となります[3]。
介護医療保険料控除の概要
医療保険は「介護医療保険料控除」の対象となり、以下の控除額が適用されます。
| 年間払込保険料 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|
| 20,000円以下 | 払込保険料全額 | 払込保険料全額 |
| 20,001円〜40,000円 | 払込保険料×1/2+10,000円 | 払込保険料×1/2+10,000円 |
| 40,001円〜80,000円 | 払込保険料×1/4+20,000円 | 払込保険料×1/4+14,000円 |
| 80,001円以上 | 40,000円 | 28,000円 |
例えば年間保険料が36,000円(月額3,000円)の場合、所得税で28,000円、住民税で24,000円の控除を受けられます。
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
掛け捨て医療保険の選び方のポイント

保障期間の考え方
医療保険の保障期間は「定期型」と「終身型」に分かれます[1]。
| 項目 | 定期型 | 終身型 |
|---|---|---|
| 保障期間 | 10年、20年など一定期間 | 一生涯 |
| 保険料 | 若い間は安い | 加入時から変わらない |
| 更新 | 更新時に保険料上昇 | 更新なし |
| メリット | 見直しがしやすい | 保険料が上がらない |
定期型は更新のたびに年齢に応じた保険料に変わるため、長期的には終身型より保険料総額が高くなる傾向があります。
入院給付金日額の設定目安
入院給付金の日額は、以下の費用を参考に設定します。
- 差額ベッド代:1日あたり2,000〜8,000円程度(部屋のタイプにより異なる)
- 食事代:1日あたり1,380円(自己負担分)
- その他費用:家族の交通費、日用品代など
これらを合計すると、1日あたり5,000〜10,000円程度の設定が一般的な目安となります。ただし、貯蓄額や家計状況により適正額は変わります。
特約の選び方
医療保険には様々な特約を付加できますが、保険料とのバランスを考慮することが大切です。
- 先進医療特約:月額100〜200円程度で付加でき、コストパフォーマンスが良い
- 通院特約:入院前後の通院を保障(入院給付金の支払いが前提の商品が多い)
- 女性疾病特約:女性特有の疾患で入院給付金を上乗せ
- がん特約:がんでの入院・手術を手厚く保障
まとめ
医療保険の掛け捨てタイプは、年代や性別により保険料相場が大きく異なります。20代であれば月額1,200〜2,200円程度から、50代では月額3,800〜6,200円程度が目安となりますが、健康状態や保障内容により実際の保険料は変動します。
保険料の安さだけでなく、高額療養費制度との関係や、自身の貯蓄状況、家族構成なども含めて総合的に検討することが重要です。また、生命保険料控除制度の活用により、実質的な負担を軽減することも可能です。
ここから先は人によって判断が分かれます。ご自身の年齢・家族構成・健康状態に当てはめた具体的な選び方については、さらに詳しい記事をご覧ください。
※個別の状況により最適な保険は異なります。詳細は保険会社の約款や重要事項説明書でご確認ください。