- 介護保険料の負担に関する疑問
- 介護保険制度の基本的な仕組み
- 第1号被保険者(65歳以上)の保険料
介護保険料の負担に関する疑問

40歳になると介護保険料の負担が始まりますが、「なぜこの金額なのか」「どのように計算されているのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
介護保険料は年齢や所得によって計算方法が大きく異なり、徴収方法も変わります。この記事では、介護保険料の基本的な仕組みと計算の考え方を整理します。
この記事で分かること:
- 介護保険料の基本的な仕組み
- 年齢別の計算方法の違い
- 保険料額の目安と地域差
- 徴収方法と軽減制度
なお、介護保険料は居住地域や加入する健康保険によって金額が異なることを前提としてお読みください。
介護保険制度の基本的な仕組み
介護保険は、介護が必要になったときに社会全体で支える制度です[1]。40歳以上の全ての人が被保険者となり、保険料を負担します。
被保険者の区分
介護保険の被保険者は年齢によって2つに分かれます:
| 区分 | 年齢 | 保険料の計算方法 | サービス利用 |
|---|---|---|---|
| 第1号被保険者 | 65歳以上 | 所得段階別の定額制 | 原因を問わず利用可能 |
| 第2号被保険者 | 40〜64歳 | 所得に比例した定率制 | 特定疾病による場合のみ |
※特定疾病とは、がんや関節リウマチなど、加齢に伴い生じる心身の変化に起因する16の疾病を指します
保険料の財源構成
介護保険の財源は、保険料と税金で構成されています:
- 第1号被保険者の保険料:23%
- 第2号被保険者の保険料:27%
- 国・都道府県・市町村の税金:50%
第1号被保険者(65歳以上)の保険料

65歳以上の方の介護保険料は、居住する市町村ごとに所得段階別の定額制で設定されます[1]。
所得段階別の保険料設定
多くの市町村では、所得に応じて**9〜13段階程度**に区分されています[1]:
| 所得段階 | 対象者の例 | 保険料率 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者など | 基準額×0.3 |
| 第5段階 | 市町村民税本人課税(基準所得金額120万円未満) | 基準額×1.0 |
| 第9段階 | 合計所得金額300万円以上400万円未満 | 基準額×1.7 |
※段階数や保険料率は市町村により異なります
保険料の具体的な金額
全国平均の介護保険料(第1号被保険者・月額)は**約6,000円程度**となっています。ただし、地域によって大きな差があります:
- 高い地域:月額8,000円を超える市町村
- 低い地域:月額3,000円台の市町村
- 地域差の要因:高齢化率、介護サービスの整備状況、地域の所得水準
徴収方法
65歳以上の方の保険料徴収方法は、年金額によって決まります[1]:
| 徴収方法 | 対象者 | 徴収のタイミング |
|---|---|---|
| 特別徴収 | 年金年額18万円以上 | 年金から天引き(年6回) |
| 普通徴収 | 年金年額18万円未満 | 納付書や口座振替(年8〜12回) |
第2号被保険者(40〜64歳)の保険料
40〜64歳の方の介護保険料は、加入している健康保険によって計算方法が異なります[1]。
会社員・公務員の場合
健康保険や共済組合に加入している方は、**標準報酬月額に介護保険料率を乗じて**計算されます:
- 介護保険料率:**1.64%程度**(健康保険組合により異なる)
- 労使折半:本人負担は約0.82%
- 計算例:標準報酬月額30万円の場合、月額約2,500円
自営業者の場合
国民健康保険に加入している方は、以下の要素で計算されます:
- 所得割:前年の所得に応じて計算
- 均等割:被保険者1人あたりの定額
- 平等割:世帯あたりの定額(設定していない市町村もあり)
- 資産割:固定資産税額に応じて計算(設定していない市町村もあり)
保険料率や計算方法は市町村によって異なるため、具体的な金額は居住地域の国民健康保険担当窓口で確認できます。
保険料軽減制度と見直し時期

保険料軽減制度
所得の低い方に対しては、保険料の軽減制度があります[2]:
| 軽減対象 | 軽減内容 | 財源 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 基準額×0.3→0.25に軽減 | 国・都道府県・市町村 |
| 第2段階 | 基準額×0.5→0.375に軽減 | 国・都道府県・市町村 |
| 第3段階 | 基準額×0.7→0.625に軽減 | 国・都道府県・市町村 |
※軽減制度は住民税非課税世帯が対象です
保険料の見直し周期
介護保険料は定期的に見直されます:
- 第1号被保険者:3年ごとに見直し(介護保険事業計画の策定に合わせて)
- 第2号被保険者:健康保険組合ごとに毎年度見直し
高齢化の進展や介護サービス利用の増加により、保険料は上昇傾向にあります。
地域差が生まれる理由
介護保険料に地域差が生まれる主な要因を整理すると:
サービス利用量の違い
- 高齢化率の差:高齢者の割合が高い地域ほど保険料が高くなる傾向
- 要介護認定率:地域により認定率に差がある
- サービス利用率:同じ要介護度でもサービス利用量は地域により異なる
サービス提供体制の違い
- 施設整備状況:特別養護老人ホームなど施設の充実度
- 人件費水準:介護職員の賃金水準の地域差
- 事業者数:競争状況によるサービス単価への影響
財政力の違い
- 所得水準:住民の平均所得が保険料設定に影響
- 税収基盤:市町村の財政力による公費負担への影響
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
保険料負担を考える際のポイント

将来の保険料上昇への備え
介護保険料は今後も上昇が見込まれます:
- 2025年:団塊世代が75歳に到達
- 2040年:団塊ジュニア世代が65歳に到達
- 介護需要の増加に伴う保険料上昇は避けられない見通し
公的保障と民間保障の考え方
介護保険制度では、サービス利用時に**1〜3割の自己負担**があります:
| 所得区分 | 自己負担割合 |
|---|---|
| 一般的な所得の方 | 1割 |
| 一定以上所得者 | 2割 |
| 現役並み所得者 | 3割 |
この自己負担部分や、公的介護保険でカバーされない費用(差額ベッド代、家族の交通費など)について、民間の介護保険で備えるかどうかは個人の考え方によります。
まとめ
介護保険料の仕組みは年齢によって大きく異なり、65歳以上では所得段階別の定額制、40〜64歳では所得比例の定率制となっています。
保険料額は居住地域や加入する健康保険によって差があり、全国平均で月額6,000円程度ですが、地域により3,000円台から8,000円超まで幅があります。
今後の高齢化進展により保険料上昇は避けられない見通しですが、状況によって考え方は変わります。公的保障の自己負担部分をどう備えるかは、ご自身の家計状況や介護に対する考え方によって判断が分かれる部分でもあります。
より具体的な保険料試算や民間保険との組み合わせについては、別の記事で詳しく解説しています。