- 三大疾病保険と医療保険
- 保障対象の範囲で比較する
- 保険金の支払い方法で比較する
三大疾病保険と医療保険、どちらを選ぶべきか迷う方へ

保険を検討する際、「三大疾病保険と医療保険、どちらに入るべきか」「両方必要なのか」と迷われる方は多くいらっしゃいます。
どちらも病気に備える保険ですが、保障の対象となる病気の範囲や保険金の支払い方法が大きく異なります。この記事では、両者の違いを整理し、ご自身に合った選択をするための判断軸をお伝えします。
この記事を読むことで、三大疾病保険と医療保険の特徴を理解し、どのような観点で比較検討すればよいかが分かります。
保障対象の範囲で比較する
まず最も大きな違いは、保障の対象となる病気の範囲です。
三大疾病保険の保障範囲
三大疾病保険は、がん・急性心筋梗塞・脳卒中の3つの疾病に特化した保険です。これらの疾病は治療期間が長く、医療費が高額になりやすい特徴があります[1]。
ただし、支払い条件は厳格で、例えばがんの場合は初回診断から90日間の免責期間が設定されています。また、急性心筋梗塞や脳卒中については、診断だけでなく「所定の状態が60日以上継続」などの条件を満たす必要があります。
医療保険の保障範囲
医療保険は、病気やケガによる入院・手術を幅広くカバーします。三大疾病以外の病気(肺炎、骨折、盲腸など)も保障対象となるため、日常的な医療リスクに備えることができます。
入院1日あたり5,000円~1万円程度の給付金を、支払限度日数(60日型、120日型など)まで受け取れます。
どちらを選ぶべきか
保障範囲の観点では、以下のような考え方があります:
- 幅広い病気に備えたい場合:医療保険が適している
- 特定の重大疾病に重点的に備えたい場合:三大疾病保険が適している
- 両方のリスクが気になる場合:両方加入する選択肢もある
保険金の支払い方法で比較する

保険金の受け取り方も大きく異なります。
三大疾病保険の支払い方法
三大疾病保険は、診断確定時にまとまった一時金を受け取る仕組みが一般的です。保険金額は100万円~1,000万円程度で設定でき、使い道は自由です。
一時金のメリットは:
- 治療費以外の費用(交通費、差額ベッド代、家族の生活費など)にも使える
- 収入減少への備えになる
- 先進医療など保険適用外の治療にも対応できる
近年は年金形式で受け取れる商品も登場していますが、一時金型が主流です。
医療保険の支払い方法
医療保険は、入院日数に応じた日額給付が基本です。入院1日につき設定した日額(5,000円、1万円など)を受け取り、手術を受けた場合は手術給付金も支給されます。
ただし、入院期間の短期化により、実際の受取額は限定的になる場合があります。例えば、日額1万円で5日間入院した場合の受取額は5万円です。
どちらが適しているか
支払い方法の観点では:
- まとまった資金が必要になりそうな場合:三大疾病保険の一時金が有効
- 入院費用をピンポイントでカバーしたい場合:医療保険の日額給付が適している
- 治療費以外の支出も心配な場合:三大疾病保険の自由度の高さがメリット
保険料と公的保障との関係で比較する
保険料の水準と、公的保障でカバーできる部分も重要な判断要素です。
保険料の水準
30歳男性、保険金額100万円、65歳満了の場合の保険料目安は以下の通りです[2]:
| 保険種類 | 月額保険料目安 |
|---|---|
| 三大疾病保険 | 2,000円~4,000円程度 |
| 医療保険(日額5,000円) | 1,500円~3,000円程度 |
ただし、これらはあくまで目安です。実際の保険料は喫煙の有無や健康状態、職業などにより異なります[2]。
公的保障との関係
日本では高額療養費制度により、月の医療費が自己負担限度額を超えた場合に払い戻しを受けられます。例えば、年収約370万円~770万円の方の場合、月の自己負担限度額は約8万円です。
会社員の方は、病気で働けなくなった場合に傷病手当金も受給できます。支給額は、標準報酬月額の30分の1の3分の2(おおよそ給与の3分の2程度)が最長1年6ヶ月支給されます。2022年1月の改正により、復職期間はカウントされないため、復職後に再び働けなくなっても残りの期間を受給可能になりました。
どう考えるべきか
公的保障との関係では:
- 医療費の自己負担分を重視する場合:医療保険で日額をカバー
- 収入減少や公的保障でカバーしきれない部分を重視する場合:三大疾病保険の一時金でカバー
- 公的保障で十分と感じる場合:民間保険の優先度は下がる
ケース別の考え方

- 家族構成による考え方
- 年収・貯蓄による考え方
- 健康状態・家族歴による考え方
当てはまるほど、必要性が高くなる可能性があります。
具体的な状況に応じて、どちらを優先すべきかの考え方をご紹介します。
家族構成による考え方
単身の場合:医療保険で基本的な入院費用をカバーし、余裕があれば三大疾病保険を検討する順序が一般的です。
家族がいる場合:収入減少の影響が大きいため、三大疾病保険の一時金を優先的に検討する価値があります。医療保険と合わせて両方加入する方も多くいらっしゃいます。
年収・貯蓄による考え方
貯蓄が十分にある場合:入院費用は貯蓄でカバーできるため、長期的な収入減少に備える三大疾病保険を重視する考え方があります。
貯蓄に余裕がない場合:まずは医療保険で傾向として医療費をカバーし、その後三大疾病保険を検討する順序が現実的です。
健康状態・家族歴による考え方
三大疾病の家族歴がある場合:遺伝的なリスクを考慮し、三大疾病保険を優先的に検討する価値があります。
特定の持病がある場合:その病気が三大疾病に該当するかどうかで、どちらの保険が適しているかが変わります。
- 必要性は家計・家族状況・価値観で変わります。
- 制度や税制は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は公的情報や契約条件の確認が前提です。
まとめ
三大疾病保険と医療保険は、それぞれ異なる特徴を持つ保険です。
三大疾病保険は、がん・急性心筋梗塞・脳卒中という特定の重大疾病に特化し、まとまった一時金を受け取れる点が特徴です。収入減少への備えや、治療費以外の支出にも対応できる自由度があります。
医療保険は、幅広い病気・ケガによる入院・手術をカバーし、入院日数に応じた給付金を受け取れる点が特徴です。日常的な医療リスクに備えることができます。
どちらを選ぶかは、ご自身の家族構成、収入、貯蓄状況、健康状態などを総合的に考慮して判断することが大切です。
今すぐ結論を出す必要はありません。焦らずに、ご自身のペースで検討してください。
FPへの相談は情報収集であり、その場で決める必要はありません。相談してみて、「違うな」と感じたら断って構いません。複数の保険相談窓口に相談して比較することで、より納得した選択ができます。
まずは、ご自身にとって何が最も重要なリスクかを整理することから始めてみてはいかがでしょうか。
※個別の状況により判断は異なります。詳細な検討の際は、保険の専門家にご相談することをお勧めします。