介護保険の手続き、何から始めればいいのか分からない

介護保険の手続き、何から始めればいいのか分からない

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況により最適な判断は異なります。必要に応じて公的情報や専門家へご確認ください。

「親の介護が必要になったら、介護保険を使えるって聞いたけど、どこに行けばいいんだろう」「申請って難しいのかな」「書類とか、たくさん必要なのかな」

介護保険の手続きについて調べようと思っても、どこから手をつければいいのか分からない。役所に行けばいいのか、病院で聞けばいいのか。そもそも自分が手続きする立場なのかどうかも、はっきりしない。

調べれば調べるほど、認定調査とか要介護度とか、聞き慣れない言葉が出てきて、「これ、全部理解しないといけないのかな」と思うと、少し気が重くなる。

でも、いつかは必要になるかもしれない。だから、ざっくりとでも流れを知っておくことは、検討の価値があります。そう思って、このページを開いた方もいるかもしれません。

介護保険の手続きは「申請→調査→認定」という3段階

介護保険の手続きは「申請→調査→認定」という3段階

介護保険を利用するための手続きは、大きく分けて3つのステップで進むという考え方があります。

  1. 申請:市区町村の窓口に申請書を提出する
  2. 認定調査:調査員が自宅や施設を訪問して、心身の状態を確認する
  3. 認定結果の通知:要介護度が決定され、利用できるサービスが分かる

この流れ自体は、全国どこでも基本的に同じとされています。自治体によって窓口の名称が違ったり、提出する書類の様式が少し異なることはありますが、手順そのものは共通していることが多いです。

申請から認定までの期間

申請してから認定結果が出るまで、通常30日程度かかるとされています。状況によってはもう少し時間がかかる場合もあります。

「30日も待つのか」と感じるかもしれませんが、その間に何もできないわけではありません。認定結果が出る前でも、暫定的にサービスを利用できる仕組みがあるという考え方もあります

最初の一歩:どこに相談すればいいのか

介護保険の申請窓口は、住んでいる市区町村の介護保険課高齢福祉課とされています。自治体によって名称は異なりますが、「介護」「高齢者」といった言葉が入っている部署が担当していることが多いです。

ただ、いきなり窓口に行く前に、まず相談できる場所があります。

地域包括支援センター

全国に約5,000か所以上ある「地域包括支援センター」は、介護に関する相談を無料で受け付けています。ここでは、介護保険の申請方法だけでなく、「そもそも申請が必要なのか」「どんなサービスが使えるのか」といった基本的なことから教えてもらえるという考え方があります。

センターの職員は、保健師やケアマネジャーなど、介護の専門知識を持った人たちです。「こんなこと聞いていいのかな」と思うようなことでも、丁寧に答えてくれることが多いです。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

すでに介護サービスを利用している家族がいる場合、担当のケアマネジャーに相談するのも一つの方法です。ケアマネジャーは、申請の代行もできますし、認定後のサービス計画も一緒に考えてくれることが多いです。

「誰に頼んだらいいか分からない」という場合は、地域包括支援センターで紹介してもらうこともできます。

申請に必要なもの

申請に必要なもの

申請時に必要なものは、それほど多くありません。

  • 申請書(窓口でもらえます)
  • 介護保険被保険者証(65歳以上の方に交付されています)
  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)

40歳から64歳までの方(第2号被保険者)の場合は、介護保険被保険者証の代わりに、健康保険証が必要とされています。

申請書は、窓口で記入する項目を教えてもらいながら書くこともできるという考え方があります。「書き方が分からない」と不安に思う必要はありません。

主治医の情報が必要な場合

申請書には、かかりつけ医(主治医)の名前や医療機関名を記入する欄があります。普段通っている病院があれば、その情報を控えておくとスムーズとされています。

主治医がいない場合でも、自治体が指定する医師に診てもらうこともできます。この点も、窓口で相談できます。

認定調査とは何をするのか

申請が受理されると、市区町村から委託された調査員が、本人の自宅や入院先、施設などを訪問します。これが「認定調査」です。

調査では、74項目の基本調査が行われます。具体的には、

  • 身体機能(立ち上がりや歩行の状態など)
  • 生活機能(食事や排泄、入浴の状況など)
  • 認知機能(記憶力や判断力など)
  • 精神・行動障害(徘徊や妄想の有無など)
  • 社会生活への適応(日常生活の自立度など)

といった内容を、調査員が質問しながら確認していきます。所要時間は、おおむね30分から1時間程度とされています。

調査の雰囲気

「試験みたいなものなのか」と身構える方もいますが、調査は日常の様子を確認するためのもので、できることは「できる」、難しいことは「難しい」と、普段の状態をそのまま伝えることが大切という考え方があります

調査員は、本人だけでなく、家族からも話を聞くことがあります。「普段はこういう様子なんです」と補足することもできます。

認定結果が出たら

認定結果が出たら

認定調査と主治医の意見書をもとに、介護認定審査会で要介護度が決まります。結果は、非該当(自立)、要支援1・2、要介護1~5のいずれかとされています。

認定結果は、郵送で通知されます。そこには、認定された要介護度と、利用できるサービスの上限額(支給限度額)が記載されています。

認定結果に納得できない場合

「思っていたより軽い認定だった」「もう少し重いと思っていた」ということもあります。そういう場合は、60日以内であれば、都道府県に設置されている介護保険審査会に不服申し立てをすることができるという選択肢があります。

ただ、不服申し立てには時間がかかることもあるため、まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談して、「今の認定でどこまでできるか」を確認してみるのも一つの方法です。

サービスを利用するまで

認定が出たら、次はケアマネジャーと一緒に「ケアプラン」を作ることが一般的です。ケアプランとは、どのサービスをどれくらい利用するかを決めた計画書のことです。

ケアプランは、本人や家族の希望を聞きながら作られます。「週に何回デイサービスに行きたいか」「訪問介護をどの時間帯に入れるか」といったことを、一緒に考えていきます。

ケアプランの作成費用

ケアプランの作成は、利用者の自己負担がありません。全額介護保険から支払われます。

ケアプランができたら、実際にサービス事業者と契約して、利用が始まります。

更新のタイミング

更新のタイミング

介護保険の認定には、有効期間があります。初回認定の場合は6か月、更新認定の場合は原則12か月とされています。状態が安定している場合は、最長36か月まで延長されることもあります。

有効期間が切れる前に、再度認定調査を受ける必要があります。更新の手続きは、有効期間が終わる60日前から申請できます。

更新の案内は、自治体から郵送されることが多いとされていますが、忘れずに手続きすることが大切です

手続きの途中で状態が変わったら

認定を受けた後、心身の状態が大きく変わることもあります。たとえば、転倒して骨折したり、認知症が進行したりした場合です。

そういうときは、有効期間の途中でも「区分変更申請」をすることができます。再度認定調査を受けて、要介護度が見直されます。

「まだ更新の時期じゃないから」と我慢する必要はありません。状況が変わったら、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。

手続きは「一度に全部理解しなくていい」

手続きは「一度に全部理解しなくていい」

介護保険の手続きには、いくつかの段階があります。でも、それを最初から全部把握しておく必要はないという考え方もあります

申請するときは申請のことだけ、認定調査のときは調査のことだけ、サービスを使うときはそのときのことだけ。一つひとつ、その時に必要なことを確認していけば、進んでいけます。

分からないことがあれば、地域包括支援センターやケアマネジャーに聞けば教えてもらえます。「こんなこと聞いていいのかな」と思うようなことでも、聞いてしまって大丈夫です。

この記事のまとめ
  • 介護保険の手続きは「申請→調査→認定」の3段階とされています
  • 最初の相談先は、市区町村の窓口か地域包括支援センターです
  • 申請に必要なものは、申請書・被保険者証・本人確認書類です
  • 認定調査は普段の状態をそのまま伝えることが大切とされています
  • 認定結果が出たら、ケアマネジャーと一緒にケアプランを作ることが一般的です