「介護保険の申請をしようと思っているけれど、何を用意すればいいのかわからない」そう感じている方は少なくありません。役所のホームページを見ても、書類の名前がずらりと並んでいて、どれが自分に必要なのか、どこで手に入れるのか、すぐには分からないこともあります。
家族の介護が必要になったとき、あるいは自分自身の体調に不安を感じたとき。申請しようと思っても「書類を揃えるのが大変そう」「何か足りなかったらまた行かなきゃいけない」と、そこで立ち止まってしまうこともあるでしょう。
申請に必要な書類について、どんなものがあるのか、どこで入手できるのか、整理してみましょう。
介護保険申請の基本的な必要書類

介護保険の申請には、大きく分けて3種類の書類が必要になるとされています。
申請書(要介護認定申請書)
申請書は、お住まいの市区町村の介護保険課(名称は自治体により異なります)でもらえます。多くの自治体では、ホームページからダウンロードすることも可能です。
この申請書には、氏名や住所などの基本情報のほか、現在の身体状況や介護が必要になった理由などを記入する欄があります。初めて記入する場合、どう書けばいいのか迷う項目もありますが、窓口で相談しながら記入することもできます。
本人確認書類
申請時には、本人確認のための書類が必要です。
- 介護保険被保険者証(65歳以上の方には既に交付されています)
- 健康保険証(40歳~64歳の方)
- マイナンバーカード、または通知カード
65歳以上の方は、すでに手元に介護保険被保険者証があるはずです。もし見当たらない場合は、市区町村の窓口で再発行の手続きができます。
40歳から64歳の方(第2号被保険者)の場合は、特定疾病により介護が必要になった場合に限り申請できるとされています。この場合、健康保険証が本人確認書類になります。
主治医の情報
申請書には、かかりつけ医(主治医)の氏名、医療機関名、所在地などを記入する欄があります。
定期的に通院していない場合でも、申請は可能です。市区町村が指定する医師の診断を受けることができます。申請窓口で相談してみましょう。
主治医の情報が必要なのは、申請後に行われる「主治医意見書」の作成のためです。この意見書は、市区町村から主治医に直接依頼されるため、申請者が医師に依頼する必要はありません。
状況によって必要になる書類
基本的な書類以外に、状況によって追加で必要になる書類があります。
代理人が申請する場合
本人が窓口に行けない場合、家族などが代理で申請することができます。この場合、以下の書類が必要です。
- 代理人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 委任状(自治体によっては不要な場合もあります)
家族が代理で申請する場合、約70%の自治体では委任状が不要とされています。ただし、念のため事前に確認しておくと安心です。
医療保険の情報
40歳から64歳の方が申請する場合、加入している医療保険の情報が必要になることがあります。
- 健康保険証のコピー
- 特定疾病に関する診断書(場合によって)
特定疾病とは、がん(末期)、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症など、16種類の疾病が指定されています。
障害者手帳をお持ちの場合
障害者手帳を持っている方は、その情報が参考資料として活用されることがあります。必須ではありませんが、持参すると審査の参考になる場合があります。
申請書類の入手方法と記入のポイント

書類はどこで手に入れるか
申請に必要な書類は、主に以下の方法で入手できます。
- 市区町村の介護保険課の窓口
- 地域包括支援センター
- 自治体のホームページからダウンロード
- 郵送での取り寄せ(自治体によって対応が異なります)
地域包括支援センターは、各地域に設置されている相談窓口です。介護保険の申請について相談すると、書類の記入方法なども教えてもらえます。
記入する際に迷いやすい項目
申請書を記入する際、多くの方が迷うのが「介護が必要になった理由」や「現在の状況」を書く欄です。
完璧に書こうとしなくても大丈夫です。分かる範囲で記入し、詳しい状況は後日行われる認定調査で調査員に伝えることができます。
「いつ頃から」「どんなことが」できなくなったのか、日常生活で困っていることを、思いつくまま書いてみましょう。医学的に正確な用語を使う必要はありません。
申請の流れと書類提出後のこと
書類を提出した後
申請書類を提出すると、通常1週間から10日程度で認定調査の日程調整の連絡が来るとされています。
認定調査では、市区町村の調査員が自宅を訪問し(または施設に入所している場合はそこへ訪問し)、心身の状態や日常生活の様子について聞き取りを行います。この調査は1時間から1時間半程度かかります。
申請から認定までの期間
申請から認定結果が出るまでは、原則として30日以内とされています。ただし、主治医意見書の作成に時間がかかる場合など、状況によってはもう少し時間がかかることもあります。
認定結果が出る前でも、暫定的にサービスを利用することは可能です。ただし、結果によっては自己負担が発生する場合もあるため、ケアマネジャーなどに相談しながら判断することをお勧めします。
書類に不備があった場合
万が一、提出した書類に不備があった場合は、市区町村から連絡が来ます。不備があったからといって申請が却下されるわけではありません。追加で書類を提出したり、不足部分を補ったりすることで、申請は継続されます。
申請をサポートしてくれる人たち

介護保険の申請は、一人で全部やらなければいけないわけではありません。
地域包括支援センター
各地域に設置されている相談窓口で、介護に関する様々な相談に乗ってくれます。申請書類の記入方法が分からない、どう書けばいいか迷っている、そんなときに相談できる場所です。
全国に約5,200か所設置されており、お住まいの地域を担当するセンターは、市区町村の窓口で教えてもらえます。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
すでに介護サービスを利用している家族がいる場合、その担当ケアマネジャーに相談することもできます。申請の手続きについて詳しく教えてもらえますし、場合によっては代理申請を依頼することもできます。
医療機関の相談員
病院に入院中の方が退院後に介護が必要になる場合、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)や退院支援看護師が、申請の手続きをサポートしてくれることもあります。
- 基本的に必要なのは、申請書、本人確認書類、主治医の情報の3つ
- 状況によって、代理人の書類や医療保険の情報が必要になることもある
- 書類は市区町村の窓口や地域包括支援センターで入手できる
- 記入方法に迷ったら、窓口や地域包括支援センターで相談できる
- 申請から認定まで原則30日以内、認定調査は申請後1~2週間程度で実施されるとされています
介護保険の申請に必要な書類は、思っているほど多くはありません。基本的な書類を揃えて、分かる範囲で記入することをお勧めします。
分からないことがあれば、その都度確認しながら進めることができます。申請を考えているけれど書類のことで迷っている、そんなときは、まず地域包括支援センターや市区町村の窓口に、現状を確認してみることから始めてみてもいいかもしれません。
ご自身のペースで、必要な情報を整理していってください。