「乗り換えたほうがいいのか」と悩んでいる理由

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の保険商品の推奨や、個別の状況への助言を行うものではありません。保険に関する判断は、ご自身の状況に応じて慎重にご検討ください。
保険の見直しをすすめられたとき、あるいは新しい保険の案内を見たとき。「今の保険より良さそう」と思いながらも、すぐには動けない自分がいる。
それは慎重なのではなく、何かを見落としている気がするからかもしれません。
「乗り換えにはデメリットもあるはず」
「今の保険を解約して、本当に大丈夫なのか」
「後で後悔しないだろうか」
こうした迷いは、保険について真剣に考えているからこそ生まれるものです。同じように立ち止まっている人は、決して少なくありません。
この記事では、生命保険の乗り換えに伴うデメリットを整理します。判断するための材料として、ご参考いただければと思います。
乗り換えによって失うもの
保険料が上がる可能性
生命保険の保険料は、加入時の年齢によって決まるという特徴があります。同じ保障内容でも、30歳で加入した保険と40歳で加入した保険では、月々の支払額が異なります。
たとえば、死亡保険金1,000万円の定期保険の場合、30歳男性の保険料が月2,000円程度だとすると、40歳で同じ保障に加入すると月3,500円前後になることもあります。
新しい保険が魅力的に見えても、年齢が上がっている分だけ保険料が高くなっているケースは珍しくありません。
保険料は加入時の年齢で固定されます。若いときに加入した保険は、その年齢の保険料がずっと続くため、長期的に見ると有利になる場合があります。
健康状態による加入制限
保険に加入するときには、健康状態の告知が必要とされています。以前は問題なく加入できた保険でも、今の健康状態によっては加入できないことがあります。
- 過去5年以内に特定の病気で治療を受けた
- 定期的に服薬している
- 健康診断で指摘事項があった
こうした状況があると、新しい保険への加入が難しくなったり、条件付きの加入になったりすることがあります。
既存の保険を解約してから新しい保険に加入できないことが判明すると、無保険状態になる可能性があります。
解約返戻金の減額
終身保険や養老保険など、貯蓄性のある保険を途中で解約すると、解約返戻金が支払った保険料の総額を下回ることがあります。
特に加入から10年未満で解約する場合、返戻率が70%を下回ることも珍しくありません。長期間かけて積み立ててきた分が、想定より少ない金額でしか戻ってこない可能性があります。
保険の種類や契約内容によっては、あと数年で返戻率が大きく上がる時期を迎えることもあります。解約前に、今の契約の返戻金推移を確認しておくことが大切です。
保障の空白期間
既存の保険を解約してから新しい保険が開始するまでの間、保障がない期間が生じる可能性があります。
新しい保険は、申込後すぐに保障が始まるわけではありません。告知内容の確認や審査に時間がかかり、契約成立まで数週間かかることもあります。
その間に万が一のことがあっても、どちらの保険からも保障を受けられない状態になります。
見落としやすい契約内容の違い

保障内容の変化
新しい保険が「保険料が安い」「保障が充実している」と感じても、実際には今の保険と保障内容が異なっている場合があります。
- 入院給付金の支払日数に上限がある
- 特定の病気が保障対象外になっている
- 手術給付金の対象範囲が狭くなっている
一見すると似た保険でも、細かい条件が異なることで、いざというときに受け取れる金額が変わることがあります。
特約の引き継ぎができない
現在の保険に付加している特約が、新しい保険では同じ条件で付けられないことがあります。
たとえば、以前は割安で付けられた「三大疾病特約」が、年齢が上がったことで保険料が高くなっていたり、そもそも同じ内容の特約が新しい保険にはなかったりすることもあります。
更新型と全期型の違い
保険には「更新型」と「全期型」があります。
更新型は一定期間ごとに保険料が上がる仕組みで、若いうちは保険料が安く抑えられますが、更新のたびに負担が増えていきます。
全期型は保険料が変わらない代わりに、最初から高めに設定されています。
今の保険が全期型で、新しい保険が更新型だった場合、最初は安く見えても、長期的には負担が大きくなる可能性があります。
乗り換えを考える前に確認しておきたいこと
今の保険の内容を把握する
保険証券や契約内容のお知らせを見て、以下を確認しておくことが役立ちます。
- 保障内容と保険金額
- 月々の保険料と払込期間
- 解約返戻金の金額
- 特約の内容と保険料
- 更新の有無と時期
自分が何に対してどれだけの保障を持っているのかを知ることで、新しい保険と比較する際の視点が整います。
乗り換えの目的を整理する
なぜ乗り換えを考えているのか、その理由を言葉にしてみることも有効です。
- 保険料を下げたい
- 保障内容を充実させたい
- 貯蓄性を重視したい
- 今の保険会社に不安がある
目的がはっきりすると、乗り換えが本当に必要なのか、それとも今の保険の見直しで対応できるのかが見えてきます。
複数の選択肢を比較する際の視点
乗り換えだけが唯一の方法ではありません。
- 今の保険を継続しつつ、不足分を別の保険で補う
- 特約を見直して保険料を調整する
- 解約ではなく、払済保険に変更する
こうした選択肢も含めて検討することで、自分にとって無理のない形が見つかることもあります。
乗り換えを急がないほうがいい場合

加入から日が浅い場合
保険に加入してから5年未満の場合、解約返戻金がほとんどないか、支払った保険料を大きく下回ることがあります。
貯蓄性のある保険であれば、もう少し継続することで返戻率が上がる時期を迎えるかもしれません。
健康状態に不安がある場合
現在治療中の病気がある、定期的に通院しているといった状況では、新しい保険への加入が難しくなる可能性があります。
既存の保険を解約してしまうと、再び保険に加入できなくなるリスクがあります。
保険料の支払いが終わりに近い場合
払込期間が残り数年という場合、乗り換えると再び長期間の保険料支払いが始まります。
今の保険を継続すれば、あと少しで保険料の支払いが終わり、保障だけが残る状態になります。
まとめ
- 乗り換えによって保険料が上がったり、健康状態で加入できなくなったりする可能性がある
- 解約返戻金の減額や保障の空白期間など、見落としやすいリスクがある
- 保障内容や特約の違い、更新型と全期型の違いを確認することが大切
- 乗り換え以外にも、特約の見直しや払済保険への変更といった選択肢がある
保険の乗り換えには、メリットだけでなくデメリットも存在します。新しい保険が魅力的に見えても、今の保険を手放すことで失うものがあるかもしれません。
保険について考えるタイミングや方法は、人それぞれです。ご自身のペースでご検討いただければと思います。
気になることがあれば、またいつでもこのページに戻ってきてください。
※ 本記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。個別の保険契約や健康状態、ライフプランによって最適な選択は異なります。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて慎重にご検討ください。