保険料を払えなくなったとき、頭に浮かぶこと

保険料の支払いが厳しくなったとき、「このまま払わないでいたらどうなるんだろう」と考えることがあるかもしれません。
すぐに解約したほうがいいのか、それとも何か他に方法があるのか。督促状が来たらどうすればいいのか。払えなくなった自分を責めてしまったり、誰かに相談するのも気が引けたり。
こういった状況で立ち止まってしまうのは、あなただけではありません。保険料の支払いが難しくなる状況は、収入の変化や家計の事情など、さまざまな理由で起こります。
この記事では、保険料を滞納するとどのような流れになるのか、どんな選択肢があるのかを整理していきます。
保険料を滞納すると起こること
保険料の支払いが滞ると、保険会社から一定の手順で連絡や通知が届きます。この流れは保険の種類や会社によって多少の違いはありますが、基本的な仕組みは共通しています。
最初の猶予期間
保険料の支払期日を過ぎても、すぐに保険が失効するわけではありません。多くの保険には猶予期間が設けられています。
月払いの場合、払込期月の翌月末日まで。年払いの場合は、払込期月の翌々月末日までが一般的な猶予期間です。
たとえば、4月分の保険料(月払い)の支払期日が4月末日だった場合、実際には5月末日まで猶予があることになります。この期間中に支払えば、保険契約は通常どおり継続されます。
猶予期間中の保障
猶予期間中も、保険の保障は継続しています。この期間に万が一のことがあった場合でも、保険金は支払われます。
ただし、保険金が支払われる際には、未払いの保険料が差し引かれる形になります。
猶予期間を過ぎた場合
猶予期間内に保険料の支払いがない場合、保険契約は失効という状態になります。
失効すると、その時点から保障がなくなります。失効後に万が一のことがあっても、保険金は支払われません。
失効した保険は、一定期間内(多くの場合3年以内)であれば、復活という手続きで元に戻すことができます。ただし、復活には未払い保険料の支払いと、場合によっては健康状態の告知や診査が必要になります。
復活手続きでは、失効期間中の保険料をまとめて支払う必要があります。また、健康状態が加入時より悪化している場合、復活できないこともあります。
保険料が払えないときの選択肢

保険料の支払いが難しくなったとき、解約以外にもいくつかの方法があります。
払済保険への変更
払済保険とは、それまでに積み立てられた解約返戻金をもとに、保険料の支払いを止めて保障を継続する方法です。
保障額は元の契約より少なくなりますが、以降の保険料負担なく保障を持ち続けることができます。
この方法が使えるのは、貯蓄性のある保険(終身保険、養老保険など)で、ある程度の解約返戻金が積み立てられている場合に限られます。
減額
保険金額を減らすことで、保険料を下げる方法です。
たとえば、死亡保険金3,000万円の契約を2,000万円に減額すれば、その分保険料も下がります。
減額した部分は解約したことになるため、その部分の解約返戻金があれば受け取ることができます。
契約者貸付
解約返戻金の範囲内で、保険会社からお金を借りることができる制度です。
一時的に資金が必要な場合や、保険料の支払いに充てることもできます。ただし、借りたお金には所定の利息がかかります。
返済しないまま保険金の支払い事由が発生した場合、保険金から借入金と利息が差し引かれます。
自動振替貸付
保険料の払込みがないまま猶予期間を過ぎたとき、解約返戻金の範囲内で自動的に保険料を立て替える制度です。
この制度が適用されている場合、猶予期間を過ぎても自動的に失効せず、保障が継続します。
ただし、立て替えられた保険料には利息がかかります。また、解約返戻金を使い切ると、保険契約は失効します。
自動振替貸付が適用されているかどうかは、契約内容によって異なります。また、掛け捨て型の保険など、解約返戻金がない保険では利用できません。
滞納による影響
保険料を滞納したままにしておくと、保険契約以外にも影響が出る可能性があります。
信用情報への影響
保険料の滞納そのものが、いわゆる信用情報(クレジットヒストリー)に記録されることは、基本的にはありません。
ただし、保険料をクレジットカード払いにしている場合は別です。クレジットカードの引き落としができないと、それがカード会社の支払い遅延として記録される可能性があります。
再加入の難しさ
一度保険を失効させてから、新たに保険に加入しようとする場合、以前より条件が厳しくなることがあります。
年齢が上がれば保険料も上がりますし、健康状態によっては加入できない、または条件付きでしか加入できないこともあります。
特に持病がある場合や、健康診断で指摘事項がある場合は、新規加入が難しくなる可能性が高くなります。
保険会社への連絡について

保険料の支払いが難しくなったとき、「連絡したら何か言われるのではないか」と不安になることもあるかもしれません。
早めの相談
保険料が払えなくなりそうだと分かった時点で、保険会社に連絡することで、選択肢が広がることがあります。
前述の払済保険や減額、契約者貸付などの制度について、具体的にどのような方法が使えるか、どれくらい保険料が変わるかを確認できます。
連絡しないとどうなるか
連絡をしないまま滞納が続くと、猶予期間後に自動的に失効するか、自動振替貸付が適用される(適用される契約の場合)ことになります。
自動振替貸付が適用されている場合でも、立て替えが続けば解約返戻金が減っていき、最終的には失効します。
保険を見直すという選択
保険料の支払いが難しくなったとき、それは保険の内容を見直すタイミングでもあります。
必要な保障の確認
加入した当時と現在では、必要な保障の内容が変わっていることもあります。
たとえば、子どもが独立した、住宅ローンを完済した、配偶者が働き始めたなど、家族の状況が変われば、必要な保障額も変わります。
現在の状況で本当に必要な保障は何か、保障額はどれくらい必要かを考えてみることで、保険料を抑えられる可能性があります。
複数の保険に入っている場合
複数の保険に加入している場合、保障内容が重複していることもあります。
死亡保障、医療保障、がん保障など、それぞれどの保険でどれだけの保障があるのかを整理すると、優先順位が見えてくることがあります。
まとめ

- 保険料を滞納しても、猶予期間があり、その間は保障が継続します
- 猶予期間を過ぎると失効しますが、一定期間内なら復活できます
- 解約以外にも、払済保険や減額など、保障を残す方法があります
- 払えなくなりそうだと分かった時点で、保険会社に相談することで選択肢が広がることがあります
保険料の支払いが難しくなったとき、どうすればいいか迷うのは自然なことです。
解約するのか、何か他の方法があるのか。今すぐ答えを出す必要はありません。まずは今の契約内容を確認して、どんな選択肢があるのかを知ることから始めてもかまいません。
保険について考えるタイミングや方法は、人それぞれです。話を聞くだけでもいいですし、聞いた上で断ってもかまいません。その場で決める必要もありません。
気になることがあれば、またいつでもこのページに戻ってきてください。焦る必要はありません。