保険金請求って、実際どうすればいいんだろう

保険に入っているけれど、実際に請求するとなると「何から始めればいいのか分からない」と感じる方は少なくありません。
保険証券を見ても専門用語ばかりで、どこに連絡すればいいのか、何を準備すればいいのか、すぐには判断できないものです。「こんなことで請求していいのかな」「手続きが面倒そう」「間違った手続きをしたらどうしよう」と、請求すること自体に躊躇してしまうこともあるでしょう。
実は、保険金請求の流れは保険会社によって多少の違いはあるものの、基本的な構造は共通しています。一度全体の流れを知っておくと、いざというときに「何をすればいいか」が見えてきます。
保険金請求の基本的な流れ
保険金請求は、大きく分けると5つのステップで進みます。
1. 保険会社への連絡
まず最初に行うのが、保険会社への連絡です。
契約している保険会社のカスタマーセンターや、担当者がいる場合はその方に連絡します。連絡先は保険証券に記載されていますが、最近では保険会社の公式サイトやアプリからも連絡できるケースが増えています。
この時点で伝える内容は以下のようなものです。
- 契約者の氏名と証券番号
- いつ、どのような事故や病気があったか
- 現在の状況(入院中、通院中など)
「まだ診断が確定していない」「入院するかどうか分からない」という段階でも、連絡して相談することは可能です。保険会社側から「この段階では請求できません」と言われることもありますが、早めに連絡しておくことで、必要な書類や手続きの準備ができます。
2. 必要書類の確認と準備
保険会社に連絡すると、請求に必要な書類の案内があります。
一般的に必要とされる書類には以下のようなものがあります。
- 保険金請求書(保険会社から送られてくる)
- 診断書または診療明細書
- 本人確認書類のコピー
- 振込先口座の情報
- 事故の場合は事故証明書など
診断書は医療機関で発行してもらいますが、発行には数千円から1万円程度の費用がかかることが一般的です。保険の種類や請求内容によっては、診断書の代わりに診療明細書や領収書で対応できる場合もあります。
書類の準備で分からないことがあれば、保険会社に確認しながら進めることができます。「この書類でいいのか」「他に必要なものはないか」といった質問は、遠慮せずに尋ねて問題ありません。
3. 書類の提出
必要な書類が揃ったら、保険会社に提出します。
提出方法は以下のいずれかになることが多いです。
- 郵送
- 保険会社の窓口に持参
- オンラインアップロード(対応している保険会社の場合)
郵送の場合、書類の到着までに数日かかります。また、書類に不備があった場合は再提出が必要になるため、提出前に記入漏れや添付書類の確認をしておくと安心です。
最近では、スマートフォンのアプリで書類を撮影して提出できる保険会社も増えています。この方法だと、郵送の手間や時間を省くことができます。
4. 保険会社による審査
書類が保険会社に届くと、内容の審査が始まります。
審査では以下のような点が確認されます。
- 保険の対象となる事故や病気かどうか
- 契約内容と請求内容が合致しているか
- 必要な書類が全て揃っているか
- 告知義務違反などの問題がないか
審査期間は保険会社や請求内容によって異なりますが、一般的には1週間から2週間程度とされています。複雑なケースや追加の確認が必要な場合は、もう少し時間がかかることもあります。
審査中に保険会社から追加の書類提出や確認の連絡が来ることもあります。これは請求を拒否されているわけではなく、正確な審査のために必要な手続きです。
5. 保険金の支払い
審査が完了し、支払いが認められると、指定した口座に保険金が振り込まれます。
振込までの期間は、書類提出から通常2週間から1ヶ月程度です。ただし、審査に時間がかかった場合や、年末年始などを挟んだ場合は、これより長くなることもあります。
保険金が支払われると、保険会社から支払通知書が送られてきます。この通知書には、支払われた保険金の内訳や、どの保障に対する支払いなのかが記載されています。
請求する前に確認しておきたいこと

保険金請求をスムーズに進めるために、事前に確認しておくと良い点があります。
保険証券の保管場所
保険証券には、契約内容や連絡先など、請求に必要な情報が記載されています。
いざという時にすぐに取り出せるよう、保管場所を決めておくと安心です。最近では、保険証券の電子化が進んでおり、アプリやウェブサイトで確認できる保険会社も増えています。
紙の証券を紛失した場合でも、保険会社に連絡すれば契約内容を確認できますが、時間がかかることがあります。
請求期限の確認
保険金の請求には期限があります。多くの場合、請求権は3年で時効となります。
「古い入院や手術でも請求できるかな」と思った時は、まず保険会社に確認してみることを考え方の一例します。期限内であれば、過去の分でも請求できる可能性があります。
複数の保険に入っている場合
医療保険やがん保険など、複数の保険に加入している場合は、それぞれに請求できる可能性があります。
例えば、入院した場合、医療保険からは入院給付金、がん保険からは診断給付金、というように、複数の保険から給付を受けられることがあります。
一つの保険会社に請求したからといって、他の保険会社に請求できなくなるわけではありません。加入している保険を確認して、該当しそうなものがあれば、それぞれの保険会社に連絡してみると良いでしょう。
請求時によくある疑問
「こんなことで請求していいのか」という迷い
通院だけで請求していいのか、日帰り手術でも対象になるのか、と迷うことは珍しくありません。
保険会社に連絡して状況を伝えれば、請求の対象になるかどうかを教えてもらえます。「請求できないかもしれない」と思っても、まずは確認してみることで、実は請求できるケースもあります。
保険会社への問い合わせは、請求の義務が発生するわけではありません。「対象にならない」と言われても、それで何かペナルティがあるわけではないため、気になることがあれば確認してみる、という姿勢で問題ありません。
診断書の費用が気になる
診断書の発行には費用がかかりますが、保険金が支払われた場合、診断書代を上回る給付を受けられることが多いです。
また、保険会社や請求内容によっては、診断書不要で領収書や診療明細書で対応できる場合もあります。診断書が必要かどうかは、保険会社に確認する際に尋ねてみると良いでしょう。
請求したら保険料が上がる?
医療保険やがん保険などの場合、保険金を請求しても保険料は上がりません。
自動車保険のような等級制度はないため、請求回数が増えても保険料に影響することはありません。必要な時に請求することが、保険に加入している意味でもあります。
請求がうまく進まない時の対応

書類に不備があったり、審査に時間がかかったりすることもあります。
書類の不備を指摘された場合
保険会社から「この書類が足りない」「ここの記入に不備がある」と連絡が来ることがあります。
これは請求が却下されたわけではなく、正しく審査するために必要な確認です。指摘された内容に従って、書類を再提出すれば審査が進みます。
分からないことがあれば、保険会社の担当者に質問しながら進めることができます。
審査に時間がかかっている場合
通常より審査に時間がかかっていると感じた場合は、保険会社に問い合わせて進捗を確認することができます。
審査状況を教えてもらえることもありますし、追加で必要な対応があれば案内してもらえます。
支払いが認められなかった場合
審査の結果、保険金の支払いが認められないこともあります。
その場合、保険会社から理由が説明されます。理由に納得できない場合は、保険会社に再度説明を求めることもできますし、生命保険協会の相談窓口などに相談することも可能です。
- 生命保険協会の生命保険相談所
- 各都道府県の消費生活センター
- 金融庁の金融サービス利用者相談室
まとめ
- 保険金請求は「連絡→書類準備→提出→審査→支払い」という流れで進む
- 請求できるか迷った時は、まず保険会社に確認してみることができる
- 請求しても保険料が上がることはなく、必要な時に使うのが保険の役割
- 分からないことは保険会社に質問しながら進められる
保険金請求の流れは、一度経験すると「こういう手順なんだ」と分かってきます。最初は書類の準備や手続きに戸惑うこともありますが、保険会社のサポートを受けながら進めることができます。
保険について考えるタイミングや、請求するかどうかの判断は、人それぞれです。「今すぐ請求しなければ」と焦る必要はありませんし、「請求していいのかな」と迷う気持ちも自然なことです。
あなたが自分のペースで状況を整理し、必要な時に行動できるきっかけになれば幸いです。気になることがあれば、またいつでもこのページに戻ってきてください。