保険金請求の期限について、知っておきたい基本的な情報

本記事は、生命保険の保険金請求期限に関する一般的な情報提供を目的としています。個別の契約内容や状況によって取り扱いが異なる場合がありますので、具体的な判断が必要な際は、ご自身の保険会社または専門家にご確認ください。
保険証券を見て、ふと気になる期限のこと
保険証券の書類を整理していて、ふと思う。「これ、請求できる期限って決まっているのかな」。
あるいは、家族が亡くなってから時間が経ってしまって、今さら請求について考えていいのかわからない。もう遅いのではないか、という気持ちと、でも確認だけはしておいた方がいいのかな、という思いが交錯する。
請求期限について調べようとしても、保険会社のサイトには専門用語が並んでいて、結局自分のケースがどうなのかよくわかりません。電話で聞くのも、「こんなことも知らないのか」と思われそうで躊躇する。
こうした状況で立ち止まっている方は、決して少なくありません。
保険金請求には法律上の期限が定められている

生命保険の保険金請求には、法律で定められた時効があります。
保険法という法律では、保険金請求権の消滅時効は3年と定められています。これは、保険金を受け取る権利が発生してから3年を過ぎると、法律上は請求できなくなる可能性がある、という意味です。
ただし、この「3年」がいつから数えるのかは、保険金の種類によって異なります。
死亡保険金の場合
死亡保険金の時効は、被保険者が亡くなった日の翌日からカウントが始まります。
例えば、2021年4月1日に亡くなった場合、時効の起算日は2021年4月2日となり、2024年4月1日までが法律上の請求可能期間となります。
入院給付金・手術給付金の場合
入院給付金や手術給付金の場合は、退院した日の翌日、または手術を受けた日の翌日から時効がスタートします。
入院が長期にわたった場合でも、退院するまでは時効は進行しません。
がん診断給付金などの場合
がんと診断されたときに受け取れる診断給付金は、診断が確定した日の翌日から時効期間が始まります。
期限を過ぎた場合でも、確認してみる選択肢はある
時効の3年を過ぎた場合でも、状況によっては請求に応じてもらえるケースがあります。
保険会社による個別対応
多くの保険会社は、時効を過ぎた請求であっても、事情によっては支払いに応じる場合があります。
特に以下のような状況では、相談してみる選択肢があります:
- 請求できることを知らなかった(保険に加入していることを知らなかった場合を含む)
- 長期入院や介護などで、請求手続きができる状態ではなかった
- 保険会社からの案内が届いていなかった
- 災害などの特別な事情があった
実際、生命保険協会の統計によると、時効を過ぎた請求のうち、一定割合が何らかの形で支払われているというデータもあります。
時効の中断・更新
時効には「中断」(現在の法律用語では「更新」)という仕組みがあります。
保険会社に請求の意思を伝えた時点で、時効のカウントは一度リセットされる場合があります。つまり、3年に近づいていても、保険会社に連絡した時点で新たに時効期間が始まることになります。
請求に必要な書類と手続きの流れ

保険金請求の手続きは、段階を追って進めることができます。
基本的な必要書類
一般的に必要となる書類は以下のとおりです:
- 保険金請求書(保険会社から送付されます)
- 死亡診断書または死体検案書
- 受取人の本人確認書類
- 保険証券(紛失している場合は保険会社に相談できます)
- 給付金請求書
- 入院証明書(病院で発行)
- 受取人の本人確認書類
書類を紛失していても、多くの場合は再発行や代替手段があります。「書類がないから請求できない」と判断する前に、確認してみる選択肢があります。
手続きの実際の流れ
まず、保険会社のカスタマーセンターに電話します。証券番号がわからなくても、契約者名と生年月日で照会できる場合があります。
保険会社から請求に必要な書類一式が送られてきます。記入例も同封されているのが一般的です。
病院での証明書発行には通常1〜2週間かかる場合があります。発行手数料は3,000円〜5,000円程度です。
記入した請求書と必要書類を保険会社に郵送します。
書類到着後、通常5営業日〜2週間程度で指定口座に振り込まれる場合が多いです。
請求を躊躇させる「よくある思い込み」
保険金請求をためらう理由として、実際には問題ないことを心配している場合があります。
「こんな少額で請求していいのか」
入院給付金が数千円程度になる場合でも、請求することは契約上の権利です。保険会社にとって、金額の大小で対応が変わることは通常ありません。
「前回請求したばかりなのに」
短期間に複数回請求することも、契約上問題ありません。入退院を繰り返している場合は、その都度請求する権利があります。
「もう保険を解約したから」
保険金を受け取る権利が発生した時点で契約が有効であれば、その後に解約していても請求できる場合があります。
ただし、保険料の払込が滞っていた期間中に発生した保険事故については、支払われない場合があります。契約状況については保険会社に確認することを考え方の一例します。
家族の保険について「知らなかった」場合

配偶者や親が亡くなった後、保険に加入していたことを初めて知る、というケースは珍しくありません。
保険契約の調べ方
もし保険証券が見つからない場合でも、以下の方法で契約の有無を調べることができます:
生命保険協会が提供する制度で、亡くなった方が加入していた生命保険を一括で照会できます。利用料は3,000円です。
照会には以下の書類が必要です:
– 死亡診断書または死体検案書
– 照会者の本人確認書類
– 照会者と亡くなった方の関係がわかる書類(戸籍謄本など)
照会の結果は約2週間で郵送されます。
古い契約でも請求できる場合がある
20年前、30年前に加入した保険でも、契約が継続していれば請求可能な場合があります。保険会社の合併や社名変更があっても、契約自体は引き継がれています。
まとめ
- 保険金請求の時効は法律上3年だが、過ぎていても相談してみる選択肢はある
- 請求手続きは段階を追って進めることができ、書類がなくても対応方法がある場合がある
- 金額の大小や請求回数を気にする必要は通常ない
- 保険契約の存在を知らなかった場合でも、照会制度を使って調べることができる
保険金の請求について、「もう遅いかもしれない」「こんなことで連絡していいのか」と躊躇する気持ちは、多くの方が抱くものです。
ただ、実際には請求できるケースは思っている以上に多く、保険会社も様々な事情に対応する体制を持っています。
保険について考えるタイミングや、行動を起こすペースは、人それぞれです。ご自身のペースで情報を整理し、必要だと感じたときに確認してみる、という形で十分です。
気になることがあれば、またいつでもこのページに戻ってきてください。
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものです。実際の請求可否や手続きの詳細は、個別の契約内容や状況によって異なります。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて、保険会社または専門家にご相談のうえ行ってください。